経済・港湾委員会

平成二十五年十月二十四日(木曜日)
第八委員会室

平成25年10月24日、経済・港湾委員会にて、芝浦地区などの「運河ルネッサンス」、運河の環境改善、無料WiFi環境整備について、東京港の混雑解消、臨海副都心の開発、等について質問いたしました。


■運河ルネサンスについて

1.「運河ルネッサンス」のとりくみについて

〇菅野委員

 私の地元港区は、都市の貴重な水辺空間であります多くの運河を有しています。これらの運河は、現在のようにトラック輸送が主流となる以前は舟運による物資輸送に欠かすことができない水路でありました。今ではそうした利用も減少し、周辺の土地利用も、工場や倉庫から住宅やオフィスに変わるなど、運河を取り巻く状況は大きくさま変わりしてきております。
 私は、こうした機会を捉えて、運河の新たな利活用を積極的に進めることにより、運河を都民の身近な水辺として地域の活性化に役立てることが重要と考えています。
 港湾局では、既にこうした取り組みを運河ルネサンスと称して進めてきていると聞いていますが、この運河ルネサンスとは具体的にどのような取り組みを行っているのかお伺いしたいと思います。

○石山港湾整備部長

 運河ルネサンスは、運河を新たな観光資源の一つとして捉え、地域の活性化につなげる取り組みでございます。
 具体的には、新たな運河利用の機運が高まっている地域を運河ルネサンス推進地区に指定した上で、水域占用基準の緩和やイベントの後援、PRなどにより、推進地区内で行われる商店会や町会、企業などによる運河を活用したにぎわいづくりの取り組みを支援するものでございます。
 これまでに、芝浦地区を初め五つの地区を推進地区に指定しておりまして、各地区でさまざまな取り組みが行われているところでございます。

〇菅野委員

 運河ルネサンスが地域の意欲をうまく利用し、にぎわい創出を支援している仕組みがよく理解できました。

2.港区 芝浦地域の「運河ルネサンス」のとりくみについて

〇菅野委員

 先日、私は地元港区で行われた芝浦運河まつりに参加してきました。これも運河ルネサンスの取り組みの一つと聞いています。ことしは天候にも恵まれ、当日は地元の芝浦商店会や芝浦の各町内会の方々が主体となり、さまざまな催しが行われ、近隣のマンションからも多くの家族連れが参加したり、また、スポーツ祭東京のなぎなた競技会場とも近かったということで、全国からの応援団も駆けつけて、大変なにぎわいでありました。
 そこで、芝浦地区のこれまでの取り組みについてお伺いしたいと思います。

○石山港湾整備部長

 芝浦地区は、平成十七年六月、運河ルネサンス推進地区の第一号と指定いたしました。以来、地元商店会や町内会などが中心となり、さまざまな取り組みが行われてまいりました。
 その中でも、芝浦運河まつりは、平成十七年秋から、新芝運河にかかる新芝橋をメーン会場に、当地区における運河ルネサンスの中心的なイベントとして開催されてまいりました。
 委員にもごらんいただいたとおり、ステージショーのほか、運河クルーズや運河カフェ、フリーマーケットなど多彩な催しが行われ、毎年多くのお客様でにぎわっておりまして、芝浦地区の秋の風物詩としてすっかり定着しております。
 このほかにも、平成二十一年六月、地元商店会により芝浦西運河に多目的桟橋が設けられました。この桟橋では、NPOが竹ぼうきを利用した生き物すみかを設置しておりまして、小学生を対象にエビや小魚の観察会が継続的に実施されております。

〇菅野委員

 芝浦地区において、地元の方々の熱意あふれるさまざまな取り組みが続けられていることがわかりました。

3.他の4地区のとりくみについて

〇菅野委員

 こうした取り組みは、運河という身近な水辺を活用し、都会に暮らす子供たちへ自然に親しむ機会を提供するとともに、新旧住民の交流を深めながら地域の活性化を進めるものであり、大変すばらしいことだと思っています。
 また、同様の取り組みがほかの四地区でも行われているのであれば、臨海部の活力と魅力を高める上で大変意義のあることだと思います。
 そこで、この機会に、他の四地区の取り組みについてもお伺いしたいと思います。

○石山港湾整備部長

 現在、芝浦地区のほかに、四地区で運河ルネサンスの取り組みが進められております。
 まず、品川浦・天王洲地区では水上レストランが整備され、当地区の観光スポットともなり、多くの来訪者でにぎわっています。
 また、毎年、桜の季節に運河まつりや運河クルーズが催され、好評を博しております。
 勝島・浜川・鮫洲地区では、静穏で広い勝島運河を活用し、カヌーの体験教室が継続的に開催されております。
 豊洲地区では、地元住民や大学などが中心となり、係留した船をカフェとして使用する船カフェのほか、水辺を生かしたさまざまなイベントが行われております。
 また、朝潮地区ではハゼの生息調査を行うなど、環境学習が継続的に実施されております。

4.運河ルネサンスの今後の取り組みについて

〇菅野委員

 芝浦地区だけではなく、東京の臨海部の各地域で、地域の特性を生かしたさまざまな取り組みが進められている様子がわかりました。
 水上レストランや船カフェは、洗練された都会の水辺にこそふさわしいものであります。また、都心に近い水辺でカヌーを体験できることも大変結構なことであり、こうしたことを企画し、現場で指導されている方々には本当に敬意を表したいと思っています。
 さらに、地元の大学や商店会、町内会、企業などさまざまな主体が協力をしながら、毎年運河祭りなどのイベントを続けられていることは、まさに地域の人々の熱意とご努力のたまものであります。どうか都も、引き続きしっかりと支援してもらいたいと思います。
 そこで、今後、こうした各地区のにぎわいを運河全域へ広げていくことが重要と考えますが、都の見解をお伺いしたいと思います。

○石山港湾整備部長

 運河ルネサンスの今後の取り組みとして、各地区の支援とともに、運河ルネサンス推進地区の拡大も視野に入れながら、さらににぎわいを広げていくことが重要と考えております。
 具体的には、地区同士の連携を進めることにより、地区を結ぶ運河を介しにぎわいを広げていくため、運河ルネサンス協議会連絡会を設置し、共同イベントの開催や地区を結ぶ船の運航など、連携施策について検討を進めているところでございます。

〇菅野委員

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでは、東京ベイゾーンでさまざまな競技が開催されます。そのため、今後、国内外から多くの観光客が臨海部を訪れるものと考えられ、東京港のすばらしさをアピールできる絶好の機会となります。
 そこで、そうした観光客の方々が水辺を散策しながら、美しい景観に浸り、水辺のレストランで食事を楽しめる魅力的な水辺空間を創出するための連携施策など、運河ルネサンスの取り組みのさらなる充実を図っていただきたいと思います。

5.運河の環境改善のとりくみについて

〇菅野委員

 運河の新たな利活用を進めていく上で忘れてはならないことは、運河に集う人々が安心して快適に水辺で親しみ、そして、その環境を創出することであります。
 私は、各地区で行われている運河クルーズやカヌー体験教室など、水辺のイベントにこれからますます多くの方に参加していただき、東京の水辺のすばらしさを実感していただくためにも、水の濁りや臭気のない運河環境をつくり出していくことも非常に重要なことだと思っています。
 そこで、港湾局において、運河の環境改善のために何か対策を行っているのかお伺いしたいと思います。

○石山港湾整備部長

 港湾局では、昭和四十七年度より、悪臭や水質悪化の原因となる汚泥の除去を継続的に実施しております。
 さらに近年は、芝浦地区等の運河において、ミニ干潟やミニいそ場を整備し、水生生物のすみか創出にも取り組んでおります。
 これにより、最近では悪臭による苦情等はほとんどなく、多くの運河で、ハゼのほかスズキなどの大型の魚も姿を見せるようになっており、また、芝浦地区のミニ干潟ではエビやカニ、稚魚が確認されるなど、運河の環境改善が進み、豊かな海を取り戻しつつあります。
 こうしたこともあって、運河ルネサンスの取り組みにおいても、水生生物の観察会と水に親しむイベントが各地区で継続的に行われてきております。

〇菅野委員

 港湾局が、にぎわいづくりに加えて、運河の環境改善に向け着実に取り組みを行っていることは、今回の質疑で確認することができました。
 かつて、渋沢栄一は、商工会議所の初代会頭として、首都東京を東洋のベニスにしたいといわれたそうですが、水の都東京を再生し、一層魅力ある水辺環境をつくり出すことは、東京の国際観光都市としての魅力向上にもつながる、極めて意義のある取り組みだと思います。
 また、東京オリンピック・パラリンピック招致でも注目を浴びた日本人のおもてなしの心は、日本が世界に誇れるすばらしい文化であると思います。
 運河ルネサンスによるにぎわい創出の取り組みは、そうしたおもてなしの心を育み、おもてなしの心に触れる機会となるものであり、大変評価できるものであります。
 今後とも、引き続き運河ルネサンスにしっかり取り組んでいただくよう重ねて要望して、次の質問に移ります。

■国際観光拠点化について

1.東京五輪2020大会にむけて観光拠点化をどのな視点で進めるか

〇菅野委員

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、臨海副都心ではさまざまな協議が予定されており、開催までの七年間に、世界中からますます注目されるまちになると思います。
 都は、臨海副都心において、MICE、国際観光拠点化を推進していますが、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、これまで以上にきめ細やかな、お客様をお迎えするための取り組みが必要です。
 さきの第三回定例会での我が党の立石議員の一般質問に対して、臨海副都心ならではのおもてなしの視点からのさまざまな整備を行っていくとの答弁がありました。
 そこでまず、東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、国際観光拠点化をどのような視点を持って進めていくつもりなのか確認させていただきたいと思います。

○石原臨海開発部長

 都は現在、臨海副都心の国際観光拠点化のために、国内外から訪問する多くの方々に対して、臨海副都心ならではのおもてなしの視点を持って、昨年度創設しました都独自の補助制度であるMICE拠点化推進事業を活用した取り組みを進めております。
 世界中の人々が集まる東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、これまでにも増してワールドワイドなおもてなしの視点を持って、ソフト、ハードの両面から、都市機能のさらなる充実に取り組みまして、世界中の人々をお迎えする準備を進めてまいります。

2.多言語化のとりくみについて

〇菅野委員

 多くの競技会場が配置される臨海副都心は、今まで以上に海外からのお客様が訪れることが予想され、世界中から集まった方々が安心して気持ちよく東京滞在を楽しめる環境整備が必要であります。
 観光庁の調査によると、海外の方々が日本に来て困ることの一つとして言語などコミュニケーションの問題が挙げられており、海外の方々がリピーターになるような、よい印象を与えられる、きめ細やかな多言語によるコミュニケーションをサポートする取り組みが必要だと思います。
 こうした観点からの環境整備はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。

○山口営業担当部長

 海外から来日されるお客様は言語に対する不安が大きく、一人でも安心して町歩きを楽しめるような案内表示などの充実が必要と考えております。
 本年度は、臨海副都心内の交差点や公園を中心に配置している主要な案内板四十三カ所について、日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語表示での整備を進めてまいります。
 また、コミュニケーションのサポートとして、昨年度は、先ほど申し上げた補助制度を活用いたしまして、臨海副都心の入り口である「ゆりかもめ」の新橋駅に多言語対応のデジタルサイネージを設置いたしましたほか、各駅へのタブレット端末の配備によりまして、画面で多言語での案内を行える環境を整え、非常に好評を得ております。
 今年度はさらに、ホテルグランパシフィックや大型商業施設であるアクアシティお台場にもタッチパネル式の多言語対応のデジタルサイネージを導入いたしまして、臨海副都心の観光情報をオンラインで取得できる環境を整備し、利便性向上を図ってまいります。

3.無料WiFi環境の整備について

〇菅野委員

 外国から来訪される方々に対して多言語に対応した案内を充実させることは、世界の観光地では当然の取り組みであります。臨海副都心においても、最新技術も活用し、直近の情報に簡単に触れられるよう取り組みを進めていってもらいたいと思います。
 さて、先ほども触れた観光庁の調査によると、来日した外国人観光客が旅行中に最も困ったこととして、公衆無線LAN、いわゆる無料WiFiが利用できなかったことが挙げられています。
 先日の一般質問の答弁において、臨海副都心において無料WiFi環境を整備していくとのことでありましたが、その具体的な内容はどのようなものかお伺いしたいと思います。

○山口営業担当部長

 臨海副都心では、本年度、補助制度を活用いたしまして、全てのタブレット端末やスマートフォンから、誰もが無料で利用できるWiFi環境の整備を行ってまいります。
 整備に当たりましては、まず多くの人が集まる駅前などを中心に進めてまいります。特に十一月下旬から予定されております東京モーターショーには、国内外から数十万人のお客様が来訪することが予定されており、開催までに、会場となる東京ビッグサイト周辺に無料WiFi環境を順次整備していく予定でございます。
 これによりまして情報アクセスの質を高め、来訪した多くのお客様にとって、ビジネスはもちろん、魅力的な商業施設やエンターテインメント施設などの情報を取得しやすい環境を整え、来訪者へのサービス向上につなげてまいります。

〇菅野委員

 現在世界的に共通の情報通信端末となりましたスマートフォンやタブレット端末は、仕事でもプライベートでも使用頻度が著しく高くなっています。先進都市では、観光地などで無料WiFi環境の整備が当然の取り組みとなっており、最先端とはいえないまでも、おくれずについていくという意味では重要な取り組みだと思います。今後のますますの充実を期待しています。

4.臨海副都心におけるイルミネーションなど観光資源づくりについて

〇菅野委員

 さらに、世界の人々をお迎えするに当たっては、このまちならではの特色、個性を打ち出すことが必要だと思います。臨海副都心の特徴としては、大規模な施設が密集せずに建築され、公園や道路では、各建物の間隔が数十メートル程度あいており、ゆとりある空間となっていることが挙げられます。こうした環境を生かして、来訪者の記憶に残る観光資源をつくり、おもてなしの向上を図るべきと考えます。
 そういう意味で、三定での答弁にあったイルミネーションは、最近あちこちで、冬場になると特に見られますが、臨海副都心での取り組みの意味と具体的内容を伺いたいと思います。

○山口営業担当部長

 MICE先進都市と伍していくためには、MICE機能の強化とともに国際観光機能の強化も重要でございます。臨海副都心を訪れる方々へのアフターコンベンション機能を向上させることは、再来訪のモチベーションを喚起することにつながると考えております。
 そこで、今年度は補助制度を活用いたしまして、建物が密集した地域でのイルミネーションとは異なり、臨海副都心の特徴である大規模施設やゆとりある空間を生かした、まちを彩るイルミネーションなどを充実させていくことといたしました。
 具体的には、フジテレビジョンの本社屋において、窓の内側からブラインドにLED照明を当てて、その反射光でビル全体のイルミネーションを形成し、かつ音楽とコラボレーションした、日本初の動きのあるブラインドイルミネーションを実施いたします。また、このイルミネーションは、コンピューターによりさまざまな色彩を発色することも可能であり、国内外から注目を集める取り組みになると考えております。
 フジテレビの向かいにありますダイバーシティ東京においては、建物に映像を映すプロジェクションマッピングなどを含めてイルミネーションを展開していくほか、東京テレポート駅前にあるヴィーナスフォートの約五百平方メートルの壁面には、四季折々のテーマに合わせた動画を映し出すことなどによりまして、臨海副都心を来訪した方々の記憶に残る事業を展開してまいります。

〇菅野委員

 アフターコンベンションに資する事業を展開していくことが、新たな観光資源として、さらなるまちのにぎわいを創出していくことにつながるものであり、補助制度を有効に活用した一例だと思います。イルミネーションは訪れた方々を華やかな気持ちにし、記憶に残る訪問となることと思います。
 また、先ほどの無料WiFi環境の整備も、外国人旅行者を初め観光客にとって非常に心強い観光のツール、あるいはビジネスのサポートとなるものであり、まさに、おもてなしの心を持って取り組む事業といえると思います。
 これらの事業を継続して実施していくとともに、今後も臨海副都心ならではの新しい観光資源を創出し、複合型MICE拠点の機能充実につなげていただきたいと思います。

■臨海副都心の開発について

1.2020年大会にむけての臨海副都心の開発について

〇菅野委員

 次に、臨海副都心の開発について伺います。
 アベノミクス効果や東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を受けて土地需要の高まりが見られており、臨海副都心においても例外ではないと思います。
 現在のところ、湾岸地域のマンションの需要が高いとの報道がなされていますが、ことし四月に都が新たに公募に出した有明地区の土地については、今月初めに公募を締め切るとの連絡があったと記憶しています。ここ数年、民間への新規の売却の話は聞かなかったわけですが、応募者があったということで、アベノミクスの効果が出てきているのかと感じています。
 東京オリンピック・パラリンピックを七年後に控え、現在の開発状況を踏まえた上で、今後どのように開発を進めていこうとしているのか伺いたいと思います。

○石原臨海開発部長

 臨海副都心はこれまでに約七割の土地処分が完了し、開発は着実に進展してきております。
 お話のありました国際展示場駅前にある約〇・六ヘクタールの有明南K区画につきましては、本年四月から公募を開始しましたところ、多数のお問い合わせをいただき、七月十日から受け付けを始め、九月六日に一社の応募がございました。規定に基づきまして、一カ月後の今月七日に受け付けを締め切り、現在、審査を行っているところでございます。順調にいけば十一月中旬には事業者が決定する見込みで、仮に売却ということになれば新規に公募した区画としては三年ぶりの売却となります。
 今後は、青海地区北側を中心にMICE、国際観光拠点としての整備を進めてまいります。開発に当たりましては、区画が大区画であることや都市計画の変更が必要になることなどもあり、一定の年数を必要とすると考えてございます。
 こうしたこともありまして、現在、青海地区などの四区画につきましては、今後の開発に支障のない範囲で暫定利用として貸し付けております。いずれの区画でも多くの来場者を呼ぶ施設となっておりまして、まちのにぎわい創出に寄与しているところでございます。
 今後も、当面処分を予定していない用地につきましては、暫定利用の制度なども活用し、まちのにぎわいの創出につながるような土地の有効活用を図りながら、東京オリンピック・パラリンピックも見据えて、臨海副都心の開発を進めてまいります。

〇菅野委員

 今後、五輪決定の機運の盛り上がりとともに、民間事業者のさらなる臨海副都心への進出が期待されるところです。本格的な開発には、ご答弁にもありましたように都市計画決定なども伴い、一定の期間が必要だと思います。暫定利用は開発に支障のない範囲であり、まちのにぎわいを創出し、地域のポテンシャルを向上させる事業であれば、一定の収入を確保できることもあり、有効に活用していくことも必要だと思います。
 いずれにしても、東京オリンピック・パラリンピックは世界的にも最大規模のイベントであり、必ず成功させなければなりません。七年後の大会開催時に、臨海副都心が世界のお客様をお迎えするにふさわしい都市となっていることを願っています。
 なお、世界最大のイベントではあっても、開発そのものは継続していくものであり、そこがゴールではありません。開発に当たっては、東京オリンピック・パラリンピックの開催への効果を生かすとともに、さらに、貴重なオリンピックレガシーを活用することも念頭に置き、長期的な視点を持って臨んでいただきたいと思います。

■東京港における交通混雑対策について

1.東京港における交通混雑の現状について

〇菅野委員

 次に、東京港における交通混雑対策について伺います。
 東京港の外貿コンテナ貨物取扱量は、ここ数年、右肩上がりに増加しており、平成二十三年からは二年連続で四百万TEUを超えています。
 ことしの上半期の取扱量においても、国内の他港が苦戦している中、東京港は過去最高の取扱量を記録しています。ただ一方では、東京港のコンテナ貨物取扱量は、当初想定されていたコンテナターミナルの処理能力を上回る状態となっており、ターミナル周辺での交通混雑が発生しています。
 この交通混雑問題は、新聞報道などのさまざまな場面で取り上げられており、港湾関係者の方々からも、関連の事業者の方々からも、これが東京港における最重要課題であると認識されていることがよくわかります。
 しかし、東京港の交通混雑に関しては、関心が高いことを反映してのことと思いますが、待ち時間がどれぐらいであるとか、深刻な数字ばかりがひとり歩きしている感もあり、それが余計に実態をわかりにくくしている面があると感じています。
 そこで、東京港における交通混雑の状況を正しく認識し、その上で解消に向けた取り組み状況を確認するために、幾つかの質問をさせていただきます。
 最初に、東京港における交通混雑の現状についてお伺いしたいと思います。

○笹川港湾経営部長

 委員ご指摘のとおり、東京港においては、近年のコンテナ貨物取扱量の急激な伸びによりコンテナターミナルの処理能力が限界に達していまして、季節や曜日、時間帯によっては、コンテナ待機車両による交通混雑が発生しております。
 ターミナルの混雑状況は、コンテナ船の着岸の有無、コンテナ船の航路の種別など、さまざまな要因により変動するため、東京港全体が常に同じというわけではなく、ターミナルごとに状況は異なっております。
 例えば、平成二十四年のあるターミナルにおける実績でございますが、最も混雑が激しかった十二月の状況を見ますと、月曜日の夕方には待機車両の列が平均で四キロを超えていましたが、木曜日の夕方には待機車両はほとんどございませんでした。一方、同じターミナルの同年八月では、曜日を問わず待機車両の列はほとんどございませんでした。

2.東京港の機能強化について

〇菅野委員

 東京港全体が慢性的に渋滞しているというイメージが先行しているようですが、決してそうではなく、ターミナルや季節、曜日、時間帯によるということが確認できました。
 ただし、コンテナ貨物取扱量がふえ続け、コンテナターミナルのキャパシティーが限界に達しているという状況には変わりありませんので、やはり東京港としての交通混雑対策は待ったなしの状態であるといえます。
 交通混雑対策の内容については、抜本的な対策として東京港の機能強化を行うこと、また短期的な取り組みもできる限り実施していくということをお聞きしていますが、そこで、東京港における交通混雑緩和に向けた抜本的な対策である東京港の機能強化について、その内容と進捗状況を伺いたいと思います。

○笹川港湾経営部長

 東京港の交通混雑緩和に向けた抜本的な対策といたしましては、東京港の貨物取扱能力の向上に向け、中央防波堤外側、Y1からY3コンテナターミナルの整備、それと連動する大井、青海コンテナふ頭の再編、道路ネットワークの充実に取り組んでおります。
 Y1からY2コンテナターミナルにつきましては、ことしの七月に借受候補者が選定され、現在、正式契約や上物整備に向け調整中でございまして、こうしたことから、大井、青海コンテナふ頭の再編の可能性が具体化しつつございます。Y3ターミナルの整備につきましては、これまでの国への要望によりまして事業採択となりましたので、今後は着実な整備を進めてまいります。
 道路ネットワークの充実につきましては、平成二十三年度に東京ゲートブリッジが開通いたしまして、東京港の交通混雑緩和に大きな効果があったと確認しております。

3.東京港混雑緩和のための早朝ゲートオープンの実績について

〇菅野委員

 東京港の抜本的な機能強化に向けたハード整備が一歩一歩進んでいることは非常に頼もしいことであります。
 ところが、東京港の交通混雑は今まさに現実となっている課題であり、ここで短期的な取り組みを進めていくことも極めて重要であります。時間のかかるハード整備の完了を待つことなく、コンテナターミナルの待機車両を減らす工夫をすること、また、待機車両を道路上に出さない工夫をすることが必要であると考えます。
 このうち待機車両を減らす工夫としては、平成二十三年度から、東京港の実態を踏まえ、コンテナターミナルのゲートオープンの時間を従来の午前八時三十分から一時間前倒しにする早朝ゲートオープンの取り組みを実施しているとお聞きしました。これは東京港の利用者からも好評であると伺っております。
 現在も続いている取り組みでありますが、ここで改めて早朝ゲートオープンのこれまでの実績について伺いたいと思います。

○笹川港湾経営部長

 東京港におきましては、夕方の混雑を緩和するため、平成二十三年十二月から、全国に先駆け、コンテナターミナルの開門時間を一時間早める早朝ゲートオープンの取り組みを開始いたしました。
 輸入港である東京港におきましては、輸入貨物を運搬する陸上運送事業者は、受取荷主が商品を店頭に並べることができるよう、午前中に荷主のもとに届ける必要があるため、前日の夕方にコンテナターミナルから貨物を受け取る傾向がございました。これが夕方の交通混雑の原因となっておりました。
 早朝ゲートオープンは、開門時間を一時間早めることにより、陸上運送事業者が午前中に貨物を荷主のもとに届けることを可能としたものであり、これによって夕方の交通混雑の緩和を目指したものでございます。
 実績といたしましては、平成二十三年十二月から平成二十五年七月までの間で、毎月平均五千本以上、累計十万本以上の実績があり、夕方五時以降の処理台数は、開始前と比較して約二〇%の減少となっております。開始当初は社会実験という位置づけでございましたが、関係者との調整の中で、平成二十五年度からは正式に渋滞対策の取り組みとして位置づけられました。

〇菅野委員

 早朝ゲートオープンの取り組みは今年度で既に三年目となりますが、利用者のニーズを的確に踏まえた施策であり、これまで大きな実績が出ているということを改めて確認できました。今後もぜひ継続し、さらなる交通混雑緩和につなげていただきたいと思います。

4.コンテナ待機車両を道路上に滞留させないためとりくみについて

〇菅野委員

 もう一つの取り組みとして、コンテナ待機車両を道路上に滞留させない工夫についても、これまでの取り組みを伺いたいと思います。

○笹川港湾経営部長

 コンテナ待機車両を道路上に滞留させないためには、コンテナターミナルのゲート前からの並びを引き込むスペースとして車両待機場を整備することが必要でございます。
 平成二十四年十二月には、青海コンテナふ頭にかかる車両待機場を中央防波堤外側に整備し、供用を開始したところであり、青海コンテナふ頭周辺の渋滞緩和に一定の効果があったことを確認いたしました。

〇菅野委員

 わかりました。今後も東京港の交通混雑の解消に向け、東京港の抜本的な機能強化を確実に進めていただくとともに、短期的な取り組みについても、ここで議論したことや、またそれ以外にも創意工夫を凝らして効果的な取り組みを進めていただきたいと思います。

5.東京港の交通混雑解消に向けた港湾局長の決意について

〇菅野委員

 最後に、東京港の交通混雑解消に向けた多羅尾局長の決意をお伺いしたいと思います。

○多羅尾港湾局長

 港は、公共施設であると同時に企業としての性格を持っておりまして、お客様であるユーザーの支持を得なければ、経営が困難となって、効率的な物流の実現という本来の目的も達成できないと考えております。
 このため、東京港ではユーザーのニーズに応えるために良好な港湾サービスの提供に努めてまいりましたが、残念ながら、交通混雑は良好な港湾サービスの提供という観点からはマイナスの要因になっております。
 そこで、交通混雑の解消は今日の東京港の最重要課題の一つとして認識し、ハード、ソフト両面からの解決に向け取り組んでいるところでございます。
 具体的には、先ほど部長からもご答弁させていただきましたように、中央防波堤外側コンテナターミナルの新規整備、大井、青海コンテナふ頭の再編などの長期的視点に立った本格的な施設整備、それとともに、港内の各所にコンテナ保管等の用地や車両待機場の確保など即効性を期待できるハード整備、早朝ゲートオープンや交通情報の提供などソフト対策などの取り組みを可能な限り実施しております。
 東京港のコンテナ貨物取扱量は、先ほど委員からもお話がございましたけれども、毎年増加傾向にあり、十五年連続取扱量日本一の記録を達成しております。これも、交通混雑等があっても総合的に東京港の長所を評価し、利用していただいている多くのユーザーがいらっしゃるためであり、このようなユーザーの方のためにも、交通混雑対策の推進が非常に重要であると考えております。
 今後とも、東京港の利用者の視点を第一に考えたサービス改善を図っていくことにより、東日本の生活と産業を支える我が国のメーンポートとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。

〇菅野委員

 ありがとうございます。東京港の魅力を維持向上させていくために、実効性のある交通混雑対策は必要不可欠であります。これまで早朝ゲートオープンの実施など個別の取り組みを着実に進め、一定の効果を出してきていることは大いに評価いたします。
 しかし、交通混雑問題は非常に大きな問題であるため、個々の取り組みをそれぞれ実施するよりも、ハード、ソフト両面からの取り組みをパッケージ化し、緊急的、総合的に進めていくことも有効であると考えます。
 このようなことも念頭に置いた上で、創意工夫を凝らし、さらに使いやすい港づくりを進めていただきたいとお願いいたしまして、質問を終わります。


【都議会リポート】

https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/economic-port-and-harbor/2013-12.html