平成26年3月5日(水)、かんの弘一(港区選出 都議会議員)は、東京都議会 平成26年 第一回東京都議会定例会にて一般質問を行いました。


平成26年定例本会議一般質問

1.津波・高潮対策について

〇菅野

 首都機能への影響が大きく、また切迫性の高い「首都直下型地震」に備えての東京港の津波・高潮対策の推進について知事の所見を伺う。

〇知事

 首都東京の信用力を高める上で安全の確保は重要。いつ発生するかわからない首都直下地震などに備えるため、これまでの対策を見直し、防潮堤や水門の耐震性の強化を図るなど、地震、津波、高潮対策にスピード感をもって取り組み、強力に推進してまいります。

〇菅野

 海岸保全施設(防潮堤・水門等)の現在の取り組みと今後の対応について伺う。

〇港湾局長

 平成24年12月に策定した新たな整備計画に基づき、早急確実に防潮堤、水門等の整備を推進していく。沿岸部の第一線を守る防潮堤や水門については、2020年までに耐震性を強化する。

 

2.外国人の生活環境整備について

〇菅野

 特区制度を活用した外国企業誘致のための、外国人の生活環境(医療、子育て等)整備のとりくみについて所見を伺う

〇知事本局長

 東京の国際競争力の強化に向け外国企業誘致は重要。今後も医療、子育て等の支援を行い、国際的ビジネス拠点としての東京の魅力を高めていく。

 

3.都立文化施設の活用について

〇菅野

 都立文化施設の中には改修予定の施設がある。劣化更新だけでなく、より一層施設の魅力を向上させることが重要と考えるが、都はどのような取り組みを展開していくのか。

〇生活文化局長

 各文化施設の改修に当たって、施設整備等の経年劣化への対応を図るだけでなく、時代のニーズに応え施設の一層の魅力向上を図ることが大切。また2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も視野に入れ、多言語化、無料Wifiスポットの整備を図る。

 

4.青少年施策について

〇菅野

 青少年のネット依存対策について、都としてどのようなネット依存の対策を行うのか所見を伺う。

〇青少年・治安対策本部長

 東京都青少年問題協議会からの提言を受け、啓発リーフレットの作成やネット依存の実態調査を行うほか、ネットトラブルの相談対応力を向上するため、研修を実施する。また、家庭や学校での自主ルールづくりを支援する。

〇菅野

 LINE等やスマートフォン無料通話アプリに関する問題、中高生のネット依存、ネットいじめ等についてどのように対応していくのか、所見を伺う。

〇青少年・治安対策本部長

 この問題については青少年自身がリスクを自覚し、情報モラルとメディアリテラシーを身につけることが必要。都は問題に精通した講師を中学校・高校へ派遣し生徒の問題意識を啓発し自主ルール作り支援に取り組む。

 

5.産業振興について

〇菅野

 優れた技術・製品を有する都内中小企業の海外展開に関する支援について伺う。

〇産業労働局長

 従来行ってきた商社OBを活用した支援に加え、現地拠点支援アドバイザーの配置やアジア地域の集客力の高い展示会の出展ゾーンを確保し中小企業の製品技術を一体的にアピールするなど都内中小企業を支援していく。

〇菅野

 ものづくり産業への支援、特に中小の製造業が都内で操業を続けていくための支援策について伺う。

〇産業労働局長

 平成26年度より、中小製造業が都内で操業を続けることができるよう、工場の改修や都内での移転等について支援を行う都内ものづくり企業立地継続支援事業を開始する。具体的には、地域環境に配慮して、工場の防音、防臭工事を行う企業や、工場の建て替えに当たり、都内に一時移転先となる工場を借りる企業などに対し、区市町村との連携のもと、経費の四分の三を助成する。

 

6.雇用・就業対策について

〇菅野

 五輪関連施設整備をはじめ、耐震化などの防災対策や、インフラの維持管理、マンションの老朽化対策など、一層の建設需要が見込まれる現状、都の建設技能人材の育成について伺う。

〇産業労働局長

 東京の産業を支える人材を育成するには、企業のニーズに応えた職業訓練を展開することが重要。従来の職業訓練に加え、現場のニーズが高い鉄筋工と型枠大工の養成に向け、実践的な技能習得と、溶接や小型クレーン等の関連資格の取得を内容とする職業訓練を来年度220名規模で実施するなど建設現場で求められる人材の育成を図る。
 
平成26年定例本会議一般質問


以上は質問と答弁は要約したものです。全文はこちらをご覧ください。

平成26年 第一回東京都議会定例会 一般質問(全文)

東京都議会 平成26年 第一回東京都議会定例会 一般質問 全文
平成26年3月5日(水)


〇菅野
 最初に、東京港の津波、高潮対策について伺います。
 東京は、歴史的に海を埋め立て、拡張してきた都市であり、沿岸部にゼロメートル地帯が広がるなど、浸水のリスクを抱える地域を有していることは皆さんご承知のとおりで、これまで何度も取り上げられてきました。もちろん、防潮堤などの整備については、これまでも営々と取り組んできたわけであり、地震に伴う津波や台風時の高潮に備え、一定の安定性が保たれていると私も認識しています。
 しかし、首都機能への影響が大きい、切迫性の高い首都直下型地震が発生し、防潮堤の機能が失われるようなことがあっては、万全な備えとはいえません。私自身も、沿岸部の港区に暮らしており、自然災害時の浸水の危険性については強い関心を持っています。万が一にも東京で大規模な水害が発生することになれば、都民生活はもとより、首都機能は大打撃を受け、国家レベルで危機的な状況に陥ることにもなりかねないと思います。
 都は、一昨年十二月に新たな整備計画を策定して対策を強化しているとのことですが、今以上に都民に安心してもらうためにも、より一層安全性の向上を図り、万全の体制を整えていく必要があります。
 そこで、改めて、東京を世界一安全・安心な都市にするために、東京港の津波、高潮対策の推進について、知事の所見を伺います。

〇知事(舛添要一君)
 かんの弘一議員のご質問にお答えいたします。
 東京港における津波、高潮対策についてでありますが、世界規模で都市間競争が激化する中、首都東京の信用力を高める上で、安全の確保は決定的な重要性を持っております。
 大規模な地震や台風により、首都東京が一たび機能麻痺に陥れば、直ちに日本の機能停止につながり、その影響ははかり知れないと思います。
 特に、東京のように東京湾や運河、川などの水辺環境に囲まれた都市においては、倒壊や火災などの被害だけでなく、津波や高潮への対策を忘れてはならないと思います。
 このため、いつ発生するかわからない首都直下地震などに備えるため、これまでの対策を見直し、防潮堤や水門の耐震性の強化を図るなど、地震、津波、高潮対策を強力に推進してまいります。
 万一、東京オリンピック・パラリンピックの開催時に大地震が起きたとしても、水害を防ぐため、東京の沿岸部の第一線を守る水門、防潮堤については、二〇二〇年までに耐震対策を完了することにしております。
 かんの議員、私は、危機管理というのは最悪の事態に備えることだと思っていますので、まさにこのオリンピック・パラリンピックの開催時に直下型地震が襲う、そういうことまでしっかり想定してやるのが危機管理だと考えております。
 都市の発展にもつながる津波、高潮対策にスピード感を持って取り組み、災害に打ちかつ高度防災都市づくりを進めてまいります。

〇菅野
 海岸保全施設整備の現在の取り組み状況について確認したいと思います。
 想定される首都直下型地震に備えた防潮堤や水門の整備については、より万全なものにするための取り組みを早急に進めていく必要がありますが、これらの整備に当たっては、何よりも浸水被害から確実に東京を守ること、守れることが前提となります。
 具体的には、防潮堤の耐震性をしっかりと確保することや、水門を確実に閉鎖できる機能の維持などに向けた対策を講じていくことが重要なのではないかと考えます。
 そこで、具体的に、海岸保全施設の現在の取り組みと今後の対応についての所見を伺います。

〇港湾局長(多羅尾光睦君)
 海岸保全施設整備の現在の取り組みと今後の対応についてですが、平成二十四年十二月に策定した新たな整備計画に基づき、十年間で、防潮堤、水門等の整備を推進していくこととしております。
 水門の遠隔操作を行う高潮対策センターについては、操作の確実性やバックアップ機能を高めるため、現在の江東区に加え、港区にも新設することとし、既に工事に着手しており、平成二十七年度に稼働する予定でございます。
 また、沿岸部の第一線を守る防潮堤や水門については、二〇二〇年までに耐震性を強化することとしております。
 規模の大きい新砂水門については、多くの船舶が航行する中で、技術的な課題を解決しつつ再整備を行う必要があり、既に調査設計に着手しています。
 さらに、大田区の南前堀水門については、水門を廃止し、防潮堤を整備していくこととしており、今年度、工事に着手したところでございます。
 今後とも、排水機場や内部護岸等の整備も含め、早急、確実に津波、高潮対策を講じ、東京の防災力強化に積極的に取り組んでまいります。

〇菅野
 都内で住み、働く外国人の生活環境整備について伺います。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックが東京に決まり、国際的な注目が東京に集中しています。近年の訪日観光客の増加はもとより、現政権が掲げる対日直接投資促進策は、世界中から資本、情報を呼び込むとともに、グローバル人材が活躍できる場を提供することが期待されます。
 私の住む港区では、外国企業や駐日大使館が多く立地するとともに、住環境にも恵まれていることから、以前から外国人が多く居住しています。東京都は特区制度を活用し、外国企業誘致を進めるため、国際的ビジネス環境の整備を進めていますが、単に規制緩和だけではなく、東京に住み、働く外国人の生活環境の充実が不可欠であります。
 仮に自分がビジネスで家族とともに海外に住むことになった場合、医療、買い物や学校など、自分や家族にとって安心して暮らせる町なのかどうかは大変大きな問題です。世界で一番ビジネスのしやすい国際都市を目指すには、外国人にとっても住みやすい、または住みたいと思わせる生活環境整備が必須条件だと思います。
 そこで、都としても、外国企業誘致のため、外国人の生活環境整備に対する取り組みを積極的に行うべきと思いますが、所見を伺います。

〇知事本局長(中村靖君)
 外国人の生活環境整備についてでございますが、東京の国際競争力の強化に向けて、外国企業誘致は重要な取り組みであり、そのためには、外国人ビジネスマンや、その家族の生活環境も充実させる必要があります。
 都はこれまで、災害時において事業継続が可能な高機能オフィスや外国人対応の医療機関、子育て支援施設などの整備促進を図ってまいりました。こうした取り組みをさらに加速するため、来年度から、外国人対応を行う医療機関や、インターナショナルスクールの新たな整備に対する補助制度を創設し、支援をしていく考えでございます。
 今後も、外国人が安心、快適に暮らせるよう生活環境の充実に取り組み、国際的ビジネス拠点としての東京の魅力を高めてまいります。

〇菅野
 都立文化施設の今後の活用について伺います。
 都立の文化施設は、伝統文化から現代アートに至るまで、多様な芸術文化に触れることができる場所として、多くの人々に親しまれています。しかし、都立文化施設の中には、設備の老朽化が進んでいる施設もあります。着実に改修をしていく必要があるわけですが、改修に当たっては、単なる設備の劣化更新のみならず、それを機会に施設の魅力をより向上させていかなければならないと思います。
 また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催を控え、今後ますます増加が予想される海外から訪れる多くの方々に、東京の歴史や多様な芸術文化を伝えていくためには、外国人へのさまざまな配慮なども求められます。
 現在、大規模な改修を行っている私の地元白金台の庭園美術館は、文化財としても一級で、あたかも美術品のような建物とともに都心の中の緑あふれる空間として、近隣の方々を初め多くの都民に愛されています。
 来年度予算案には、この庭園美術館の改修や江戸東京博物館のリニューアルの経費が盛り込まれていますが、今回の改修を通じて、より一層施設の魅力を向上させるため、どのような取り組みを展開していくのか、所見を伺いたいと思います。

〇生活文化局長(小林清君)
 都立文化施設の改修と今後の活用についてでありますが、各文化施設の改修に当たりましては、施設設備等の経年劣化への対応を図るだけでなく、お話のように、時代のニーズに応え、施設の一層の魅力向上を図ることが大切であります。
 これまでも順次改修に取り組んでまいりましたが、現在、東京都庭園美術館の大規模改修と江戸東京博物館の常設展示室の改修を進めております。
 庭園美術館は、アールデコ様式の旧朝香宮邸と調和した本格的な展覧会ができる別棟を新たに建築いたしました。二つの建物をあわせて活用することにより、アールデコ様式の建物の魅力そのものに加えまして、家具や工芸品などの旧宮邸の特徴を生かした展覧会を開催してまいります。
 また、江戸東京博物館は、一九六四年の東京オリンピック以降の現代コーナーを新設して、江戸時代初期から現在まで四百年にわたる東京の歴史の流れを連続して展示するほか、浮世絵の木版刷りなど、江戸時代の風俗を実際に経験できる体験型展示を充実させて、江戸東京の歴史を体系的にわかりやすく鑑賞できるようにいたします。
 これらの改修では、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催も視野に入れ、海外からのお客様に対応するため、外国語のホームページの充実を初め、施設案内パンフレットや展示作品の解説の多言語化を進めるとともに、施設内での携帯端末の利用も見据え、無料WiFiスポットの整備を図ってまいります。

〇菅野
 青少年のネット依存対策について伺います。
 インターネットは、パソコンや携帯電話、スマートフォンなどを通じて、世界中のさまざまな情報を簡単な操作で手に入れることができ、近年は学校教育でも利用されるなど、青少年にとっても欠かせない道具となっています。
 しかし、その一方で、不適切な利用により、青少年の犯罪被害、いじめやプライバシー上の問題につながるケースもあります。特に近年、インターネットの過度の使用による弊害、いわゆるネット依存の問題がマスコミ等でクローズアップされています。
 昨年八月、ネット依存に関する厚生労働省研究班の調査結果が新聞で大きく報道されました。記事によると、全国で約五十一万人の中学生、高校生が、ネット依存の疑いが強いという衝撃的な調査結果が明らかになったわけであります。
 こうした中、先月末、東京都青少年問題協議会において、青少年とネット依存の問題の調査研究を踏まえ、同協議会の総会において、早急にネット依存の対策に取り組むよう、都に対する提言が出されたということであります。
 そこでお尋ねしますが、東京都青少年問題協議会からいかなる提言を受けて、都として具体的にどのようなネット依存の対策を行うのでしょうか、所見を伺います。

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君)
 二点のご質問にお答えいたします。
 青少年問題協議会の提言内容と都が行うネット依存対策についてでございますが、ご指摘の協議会は、二月二十四日に総会を開き、深刻化する青少年のネット依存への対応として、普及啓発や実態調査の実施、家庭内でのルール及び中学生、高校生による自主ルールづくりへの支援、国への総合対策の要望等を都に対して緊急に提言が出されました。
 都は、この提言に応えるため、啓発リーフレットの作成やネット依存の実態調査を行うほか、ネットトラブルの相談対応力を向上するため、研修を実施することといたしております。
 また、家庭のルールづくりを支援するため、啓発資料を子供が使用する携帯電話の購入時に保護者に配布するとともに、学校へ講師を派遣し、自主ルールづくりを支援するなどの対策に取り組んでまいります。

〇菅野
 ネット依存の関連で問題になっているLINEに代表される、スマートフォンにおける無料通話アプリに関する問題について伺います。
 こうした無料通話アプリは、グループの仲間同士で、無料で通話やメッセージのやりとりが可能で、楽しいコミュニケーションが簡単にできることから、今やほとんどの中高生に利用が浸透しています。しかし一方で、学校から自宅に帰っても、ネット上で絶えず会話をしていないと仲間外れにされてしまうのではないかと不安になり、やめたくてもやめられないという問題が指摘されています。
 特にLINEを例にとれば、相手からのメッセージを閲覧すると、メッセージには既読というマークがついて、読んだことが相手にわかる機能があるため、これにより、メッセージを読んだらすぐに返事をしないといけない、返事をしないと自分が相手のメッセージを無視していると相手に思わせてしまうのではないかということが気になったり、みんながやっているから自分もやらないわけにはいかない、仲間外れになりたくないといった心理的なプレッシャーにより、グループ内でのやりとりが長時間続き、ますます過度の使用に陥り、結果として生活習慣が乱れ、ネット依存となっている中高生の実態が懸念されます。
 また、グループ内だけのやりとりであるため、外部からはやりとりの内容を監視することができず、ネットいじめの温床になりやすいといった問題も指摘されています。
 そこで、こうしたスマートフォンの無料通話アプリの問題に対して、青少年・治安対策本部として、具体的にどのように対応していくのでしょうか、所見を伺います。

〇青少年・治安対策本部長(河合潔君)
 スマートフォンの無料通話アプリの問題への対応についてでありますが、無料通話アプリの長時間利用、その他の不適切な利用による弊害を防止するためには、青少年自身がリスクを自覚し、情報モラルとメディアリテラシーを身につけることが必要であります。
 そのためには、家庭でのルールづくりに加えまして、適切な利用について生徒が互いに認識を共有し、生徒同士が話し合って自主的にルールをつくる過程を通じて、生徒の意識を高める取り組みが有効であると考えております。
 そこで都は、無料通話アプリの問題にも精通した講師を中学校や高校へ派遣し、安全で適切な使用について生徒の問題意識を啓発し、生徒の自主ルールづくりの支援を関係機関と連携して取り組んでまいります。

〇菅野
 中小企業の海外展開に関する支援について伺います。
 すぐれた技術、製品を有する都内の中小企業の中には、自社の製品をアジア市場で売りたいと考えている企業も多くあります。最近では、特に域内の人口が六億人を超え、二〇一五年の経済統合を目指すASEAN市場に対する関心が高まっています。
 都内中小企業の中にも、アジア市場のニーズをつかみ、取引先を開拓するために、海外展示会への出展を計画する企業が見受けられます。国際的な展示会などでは、世界各国の企業が受注を目指して競い合う中で、来場者に対し、自社の製品を十分にアピールすることが何よりも重要です。
 そのためには、効果的な商談につなげるための事前の英語など外国語による広報や、海外の人たちにとって魅力ある展示内容の企画、装飾などにも力を入れる必要がありますが、ノウハウの不足する中小企業にとっては難しい面もあるようです。
 また、仮に商談がうまく進み、製品の性能や価格面で合意に達したとしても、故障した場合のメンテナンスをどうするのか、困ったときの相談はどこにすればいいのかという点がネックになって、結局、契約に至らないという例があると聞きます。
 都内中小企業が、そのすぐれた技術、製品を生かして、海外展示会で十分なアピールを行い、積極的にアジアの需要を獲得することができるよう、都としての支援を強化すべきと考えますが、所見を伺います。

〇産業労働局長(塚田祐次君)
 ご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の海外展開に対する支援についてでありますが、すぐれた技術や製品を持つ都内中小企業の海外展開を支援することは、東京の産業の活性化にとって重要であります。
 都はこれまで、海外市場を目指す中小企業に対し、商社OB等を活用し、海外展示会への同行や製品輸出に関する具体的な助言など、きめ細かな支援を行ってまいりました。
 来年度は、これに加え、アジア地域の集客力の高い展示会において都が出展ゾーンを確保し、公募により選定した中小企業のすぐれた製品、技術を一体的にアピールすることで、効果的な商談につなげてまいります。
 また、現地拠点支援アドバイザーを配置し、中小企業が現地で販売やメンテナンスの拠点を設ける際の支援を行います。
 こうした取り組みを通じて、アジア市場において販路開拓に取り組む都内中小企業を積極的に支援してまいります。

〇菅野
 ものづくり産業等への支援について伺います。
 中小企業の海外展開を支援する一方で、都内における産業集積を確保するなど、足元をしっかりと固めることも重要です。東京には、すぐれた技術を有する中小の製造業が集積し、日本経済を支えています。
 私の地元港区においても、機械、金属や印刷など、ものづくり企業が地場産業を形成し、長きにわたり東京の発展の一翼を担ってきました。
 しかしながら、都内においては、工場周辺の住宅地化により操業の継続が困難になったとか、工場の建てかえコストが高くつくなどの理由で、郊外への転出を余儀なくされる企業が相次いでいます。
 都心港区では、そうした傾向が強く、ものづくり産業の空洞化が進んでいます。その一方で、港区白金では、再開発によるまちづくりの中で、工場が住宅や商店等と共存する方策を実現させた例はありますが、膨大な時間とエネルギーを要することも事実で、有力な方策として定着するには至っていない現状があります。
 都は、さきの第四回定例会において、我が党の主張に応え、中小の製造業が都内で操業を続けられるような支援策を検討するとの答弁をされましたが、その具体的な内容について所見を伺います。

〇産業労働局長(塚田祐次君)
 産業集積の確保についてでありますが、都内における製造業等の産業集積の確保を図ることは、無秩序な産業の空洞化の進行に歯どめをかけ、東京の中小企業の競争力を強化する上で重要であります。
 このため、都は来年度より、中小製造業が都内で操業を続けることができるよう、工場の改修や都内での移転等について支援を行う都内ものづくり企業立地継続支援事業を開始いたします。
 具体的には、地域環境に配慮して工場の防音、防臭工事を行う企業や、工場の建てかえに当たり、都内に一時移転先となる工場を借りる企業などに対し、区市町村との連携のもと、経費の四分の三を助成いたします。
 こうした取り組みを通じて、都内における製造業等の集積の維持発展を着実に推進してまいります。

〇菅野
 建設技能人材の育成について伺います。
 近年、建設投資の減少による受注競争の激化等に伴い、企業の経営体力が大きく低下し、若年労働者の採用は低調な状況にありました。しかし、東日本大震災の復興需要や防災への対応、景気回復に伴い、建設需要は大幅に増加しており、現在、建設業界における人手不足は大きな問題となっています。
 東京においても、オリンピック・パラリンピック関連施設整備を初め、耐震化などの防災対策やインフラの維持管理、マンションの老朽化対策など、一層の建設需要が見込まれており、このままでは、オリンピック開催にも重大な影響を及ぼすことが懸念されます。
 国は、既に人手不足解消のためのさまざまな施策を講じていますが、都としても、建設技能人材の育成に向け、取り組みを進めることが必要です。
 そこで都は、職業訓練において、建設現場で求められる人材の育成に取り組むべきと考えますが、都の所見を伺います。

〇産業労働局長(塚田祐次君)
 人材の育成についてでありますが、東京の産業を支える人材を育成するには、企業のニーズに応えた職業訓練を展開することが重要であります。
 建設分野については、都はこれまで、職業能力開発センターにおいて、住宅内外装仕上げや配管、建築塗装等の職業訓練を実施し、即戦力となる人材を育ててまいりました。
 近年、インフラ更新や建物の耐震化などによる建設需要の増加を背景として、建設現場で働く技能者の育成が急務となっております。
 このため、現場のニーズが高い鉄筋工と型枠大工の養成に向け、実践的な技能習得と、溶接や小型クレーン等の関連資格の取得を内容とする職業訓練を、来年度二百二十名規模で実施いたします。こうした取り組みにより、建設現場で求められる人材の育成を図ってまいります。
 

※読みやすさを重視し、質問と回答が一対一となるように再構成しております。 実際の質問の様子は都議会WEBサイトにて「本会議の会議録」をご覧ください。 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2014-1/03.html

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