平成27年 第四回東京都議会定例会 一般質問(要約)

平成26年12月18日(木)、かんの弘一(港区選出 都議会議員)は、東京都議会 平成26年 第四回東京都議会定例会にて一般質問をを行いました。


平成27年 第四回東京都議会定例会

1.オリンピック・パラリンピック教育について

〇菅野

 2020年にむけた、東京都の学校におけるオリンピック・パラリンピック教育※1について所見を伺う。

○教育長

 児童生徒がスポーツに親しみ、オリンピック・パラリンピックの歴史や意義を正しく理解し、外国の人々との交流を深めることが重要。学習読本の作成、オリンピック教育推進校の拡充、専門家やアスリートから「おもてなし」や国際マナーを学ぶなど、オリンピック・パラリンピック教育の充実を図る。

〇菅野

 全ての学校が更に積極的にオリンピック・パラリンピック教育にとりくめるようモデルとなる効果的な事例を広め、盛り上げるべきと考えるが、都の所見を伺う。

○教育長

 推進校300校の実践の中から参考となるとりくみを紹介する事例集を作成し、研究発表会を通じて普及啓発するとともに学習読本を活用した授業研究を実施する。

※1 オリンピック・パラリンピック教育…オリンピック・パラリンピックの歴史や意義、国際親善や世界平和に果たす役割、他国の文化や歴史を学び、国際交流やスポーツに取り組むことで平和な社会の実現に貢献できる児童生徒を育成することを目的とする。

2.2020年大会に向けた多言語対応について

〇菅野

 2020年大会に向け環境を整備するうえで、東京都は今後どのように多言語対応に取り組むのか所見を伺う。

○オリンピック・パラリンピック準備局長

 外国人旅行者の受け入れ環境整備のため、官民一体の多言語対応協議会を立ち上げ、ターミナル駅の案内、飲食店メニュー等の改善方針を策定。区市町村とも連携し、とりくみを推進。

〇菅野

 外国人旅行者への情報提供ツールとしてデジタルサイネージ※2を積極的に利用すべきと考えるが都の見解を伺う。

○産業労働局長

 外国人旅行者が多く訪れる地域を中心に、旅行者が旅先で必要とする情報を多言語で提供するデジタルサイネージの整備に取り組み、利便性を高めて更なる旅行者誘致につなげていく

※2 デジタルサイネージ…様々な映像や情報を表示できる電子看板。

3.自転車利用について

〇菅野

 自転車シェアリング※3の普及のため東京都がこれまで果たしてきた役割について伺う。

○環境局長

 東京都は平成24年より関係局で庁内連携体制を整備し、事業の要となるステーションの設置に向け調整を行ってきた。また26年度から新たに区市町村補助制度の補助対象として財政支援を開始、公開空地の活用、広告物の表示範囲拡大など各区の事業化を支援している。

〇菅野

 今後の更なる自転車シェアリング普及にむけ東京都がどのようにとりくみを進めていくか見解を伺う。

○環境局長

 東京都は今後、既に実施している各区のノウハウを活用し、他地域における事業化を推進する。また、利用者の利便性向上の観点から区境を越えた相互利用の実現に向けて課題を整理しながら検討を進める。

〇菅野

 自転車による都市観光の展開に関連し、お台場など臨海副都心における自転車走行空間の整備について見解を伺う。

○環境局長

 臨海副都心は最先端のアミューズメント機能を備えた日本有数の観光エリアで、自転車走行空間の整備は新たな観光資源としてその魅力向上に繋がると考えている。今後地元区と連携を図り、自転車走行空間の整備を進める。また、利用者が自転車と一緒に海上バスで臨海副都心へ来訪できるようアクセス改善に取り組む。

※3 自転車シェアリング…一定の地域内に設置されたステーションにて自由に貸出・返却できる貸自転車。現在東京都では港、千代田、江東、中央の4区が実施。港区では環二周辺、港南地区、六本木地区に19のステーションがある。(質問当時)

4.障害者施策について

〇菅野

 早期退院をめざす精神障害者に対する「東京都地域医療介護総合確保基金」を活用した支援について伺う。

○福祉保健局長

 早期退院のためには、入院後の早い時期から精神科病院と地域が連携し、退院に向けた支援を行うことが重要。東京都は精神保健福祉士を配置する病院や地域の相談支援機関と病院が開催する退院支援委員会への支援を行い、基金はこれらのとりくみに充当する予定。

5.中小企業支援について

〇菅野

 今後の中小企業支援に対する知事の基本的な考え方について伺う。

○知事

 東京が幸せを実感できる都市であり続けるための基礎は「力強い経済」。地域の産業や雇用を支え、経済成長の原動力となる中小企業が、今後も経営をしっかり続けていけるよう、経営基盤強化のサポートや付加価値の高いものづくり支援、そのための設備投資の後押し等、的確な手立てを講じていく。

〇菅野

 中小企業の資金調達のための「ABL制度※4」について、都の現状と、今後のとりくみについて伺う。

○産業労働局長

 中小企業の資金調達の選択肢を広げ、経営基盤の強化や新たな事業展開を支える為、ABL制度を開始。これまでに取引先に対する売掛債権やトラック・金属加工用機械など動産を担保とする融資等が実行されている。取扱機関も増加し今後とも制度の充実を図る。

※4 ABL制度…「東京都動産・債権担保融資制度」。不動産ではなく車両、建設機械、工作機械、売掛債権、在庫など、多様な動産や債権を担保に事業資金の借り入れが可能。担保の種類ごとに専門機関が評価を行う。借入れの際、経費の一部を東京都が補助。中小

〇菅野

 企業の海外販路支援の推進について、現地での活動に対して積極的な支援が必要と考えるが所見を伺う。

○産業労働局長

 都内中小企業が海外市場で継続的に取引を行っていくためには現地の営業活動に対するきめ細かい支援が重要。中小企業振興公社ではタイにおいて現地金融機関と連携し、販売やメンテナンス拠点の設置、ビジネスパートナー発掘の支援を開始。今後アジア市場の旺盛な需要の獲得に向け、さらなる支援体制の整備を検討していく。
平成27年 第四回東京都議会定例会


以上は質問と答弁は要約したものです。全文はこちらをご覧ください。

平成26年 第四回東京都議会定例会 一般質問(全文)

平成27年 第四回東京都議会定例会 一般質問(全文)
平成26年12月18日(木)


1.オリンピック・パラリンピックの開催に向けた教育について

〇菅野
 オリンピック・パラリンピックの開催に向けた教育について伺います。
 我が国では、古くから人に対する礼儀を重んじることを大切にしてきました。
 現在、核家族化や地域の年長者との交流が希薄になる中、若者が公式の場での心構えや態度を学ぶ機会が少なくなっています。このことは、我々大人がたしなみとして地域で実践、もしくは次世代にしっかりと伝えるべきではないかということも問われているように思います。
 二〇二〇年に向けて、礼節を重んじる国民性や日本人らしさは、世界中からますます注目されるものと考えます。
 そこで、学校におけるオリンピック・パラリンピック教育を通じて、おもてなしの心、我が国の伝統的な礼節、そして、国際的に通用するマナーなどを十分身につけた児童生徒を育成し、心のレガシーを継承していくべきと考えますが、所見を伺います。

○教育長(比留間英人君)
 ご質問にお答えをいたします。
 オリンピック・パラリンピック教育についてでありますが、二〇二〇年を見据え、児童生徒がスポーツに親しみ、オリンピック・パラリンピックの歴史や意義を正しく理解し、外国の人々との交流を深めることが重要でございます。
 加えて、児童生徒が国際交流を進める上では、これまで日本人が大切にしてきた礼節などの行動様式や、諸外国から敬愛されるような態度を身につける必要があります。
 このため、十月に設置をいたしました有識者会議での検討を踏まえ、我が国の伝統的な考え方や礼儀作法などを掲載した学習読本を作成するとともに、オリンピック教育推進校を拡充し、専門家によるおもてなしの学習や、アスリートから国際マナーなどを学ぶ取り組みを展開いたします。こうしたさまざまな取り組みを通して、オリンピック・パラリンピック教育の充実を図ってまいります。

〇菅野
 二〇二〇年まであと六年弱と迫り、都内の学校でも大会への期待と関心が非常に高まっています。
 これまで都が、オリンピック・パラリンピック教育推進校の指定や、アスリートを学校に派遣して授業を展開する中で、創意工夫を凝らし意欲的な学習に取り組んでいる学校もふえてきています。
 しかし、一方で、オリンピック・パラリンピック教育をより効果的に進めるには、どのようにすればよいのか模索している学校もあると聞いています。
 そこで、全ての学校がさらに積極的にオリンピック・パラリンピック教育に取り組んでいけるよう、モデルとなる効果的な取り組みを他の学校へも広め、今後、オリンピック・パラリンピック教育を一層盛り上げていくべきと考えますが、所見を伺います。

○教育長(比留間英人君)
 効果的な取り組みの普及についてでありますが、今年度、都教育委員会が指定したオリンピック・パラリンピック教育推進校三百校では、例えば、オリンピズムの学習、大使館を通じた国際理解やアスリートとのスポーツ交流など多様な取り組みを推進しております。
 今後、全ての学校で効果的な教育を進めていくため、こうした実践の中から参考となるすぐれた取り組みを紹介する事例集を作成し、研究発表会を通じて普及啓発するとともに、学習読本を活用した授業研究を実施するなどの取り組みを行ってまいります。
 二〇二〇年に向け、全ての児童生徒がオリンピック・パラリンピック教育で学んだことを基礎とし、東京大会で得られた体験や感動を生涯にわたる財産としていけるよう、さらに内容の充実に努めてまいります。

2.二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会開催に向けた多言語対応の取り組みについて

〇菅野
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会開催に向けた多言語対応の取り組みについて伺います。
 本年に我が国を訪れた外国人旅行者数は、過去最高であった昨年を大きく上回り、千三百万人にも達するといわれております。海外からの旅行者が、言葉に不自由せず、快適に滞在できるような取り組み、とりわけ多言語対応を進めることは、二〇二〇年大会に向けた環境を整備するとともに、我が党が主張する東京を世界で一番の都市にするためにも不可欠です。
 このように、多くの外国人旅行者が来日する中、二〇二〇年大会開催時はさることながら、その後も東京を訪れるリピーターになってもらうには、多言語対応の取り組みのスピードアップが求められています。
 私の地元港区には、お台場や六本木などの人気観光地に加え、空港、都心と臨海地域を結ぶターミナル駅が複数存在し、海外から多くの旅行者が訪れています。区では、スマートフォンを活用した見どころの案内や、無料WiFiの紹介などの取り組みを進めていますが、さらなる利便性向上を図るには、区市町村と連携し、地域の多言語対応を進めることが必要です。
 都が三月に設置をした多言語対応協議会では、先月取り組み方針を策定したとのことですが、この方針を踏まえ、今後どのように多言語対応の取り組みを進めるのか伺います。

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君)
 多言語対応の取り組みについてでございますが、外国人旅行者の受け入れ環境整備のため、多言語対応を推進することは、二〇二〇年大会の成功はもとより、大会後もレガシーとして都市力向上に寄与するものでございます。
 そのため、国との連携のもと立ち上げました官民一体の多言語対応協議会では、ターミナル駅の案内表示の改善や、飲食店メニューにおける食材ピクトグラムの活用推進などを盛り込んだ取り組み方針を先月策定いたしました。
 今後、多様な交通機関が乗り入れる新宿駅を対象に、ケーススタディーを開始いたしまして、他の駅に取り組みを広げるなど、方針の早期具体化を図ってまいります。また、競技会場周辺地域において整備すべき箇所の調査に直ちに着手いたしまして、その調査結果や情報通信技術の活用事例を区市町村に提供するなど、関係機関との連携を強化し、地域における取り組みを推進してまいります。

〇菅野
 外国人旅行者が快適に東京観光を楽しむには、旅行者が必要とする情報を効果的に提供していくことが必要です。
 最近、駅や電車内、商業施設などにおいて、デジタルサイネージが広告媒体や施設案内等として使用されているのをよく見かけます。デジタルサイネージは、ネットワークを通じて旅行者が必要とするさまざまな情報を提供できることに加え、画面を切りかえることで、そうした情報を多言語で提供することが可能です。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向け、外国人旅行者への新たな情報提供ツールとして、デジタルサイネージを積極的に活用すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○産業労働局長(山本隆君)
 ご質問にお答えをいたします。
 デジタルサイネージの活用についてでございますが、世界各国から訪れる旅行者に最新の観光情報を効果的に提供するためには、情報の随時更新が可能なデジタルサイネージを活用することが有効でございます。
 このため、都は、現在策定中の受け入れ環境整備方針に基づき、外国人旅行者が多く訪れる地域を中心に、イベント等の観光情報や目的地までの交通手段等、旅行者が旅先で必要とする情報を多言語で提供するデジタルサイネージの整備に向けて取り組んでまいります。
 二〇二〇年に向けまして、来年度から整備を進めるため、今年度は、提供する情報の内容や配信方法、タッチパネルによる検索機能等、具体的な仕様の検討に着手いたします。
 こうした取り組みを通じまして、外国人旅行者の利便性を高め、さらなる旅行者誘致につなげてまいります。

3.自転車利用について

〇菅野
 自転車利用について伺います。
 都は、世界一の都市東京の実現を目指し、東京の総合的な交通政策の検討会を設置し、自転車の利用促進という新たな視点も含め、多角的に検討を進めています。自転車の新たな利用促進策である自転車シェアリングは、ニューヨークやパリ、ロンドンなど世界の主要都市で普及が進んでいますが、今後、東京にふさわしい形で普及が進むことを期待しています。それがひいては、東京が世界一の都市を目指す上で有効な施策にもなり得ると考えます。
 私の地元港区では、既に二年前に、港南地区で、自転車シェアリングの社会実験が行われ、地域住民などのさまざまな方々から好評を博した一方で、ステーションの設置や事業採算性の確保など、課題も見出されました。港区では、二年前の取り組みを踏まえ、新橋・虎ノ門周辺にも地域を拡大して、本年十月から事業が開始されており、都内ではほかにも、江東区、千代田区で事業化がなされるなど、徐々に自転車シェアリングが広がりつつあります。
 事業化に当たって各区は、先ほど触れたとおり、ステーション用地の確保など、さまざまな課題に直面していましたが、課題解決に向けた都の多様な支援が各区の円滑な事業実施に大きく寄与したと聞いています。
 そこでまず、都がこれまで、自転車シェアリングの普及のため、具体的にどのような役割を果たしてきたのかをお伺いいたします。

○環境局長(長谷川明君)
 自転車シェアリングに関するご質問にお答えいたします。
 まず、自転車シェアリングの普及に向けた都のこれまでの取り組みについてでございます。
 自転車シェアリングは、自動車利用からの転換による環境負荷の低減、回遊性の向上による地域の活性化、放置自転車対策など、多様な効果が期待できる施策であり、江東区に続いて千代田区、港区が事業を開始しております。
 都は、二年前に江東区が事業化を進める段階から、関係局で庁内連携体制を整備し、事業のかなめとなるステーションの設置に向けた調整等を行ってきております。
 今年度から新たに区市町村補助制度の補助対象として加えて財政支援を開始しております。また、都心部での円滑な事業展開に向けて、公開空地の活用を可能とし、あわせて自転車への広告物の表示範囲を拡大するなど、関係局で連携して、各区の事業化を強力に支援しているところでございます。

〇菅野
 自転車シェアリングは、広がりつつあるとはいえ、まだ普及の緒についた段階であります。今後、事業を実施する地域がさらに広がり、また、区境を越えて広域的に利用できるようになることで、利用者にとっての利便性が向上し、自転車シェアリングがより身近なものになることが期待されます。
 都は、今後、自転車シェアリングのさらなる普及に向け、どのように取り組みを進めていくのか、見解を伺います。

○環境局長(長谷川明君)
 今後の取り組みについてでございますが、自転車シェアリングは、現在、都心部周辺で事業化が始まっており、地域特性等を踏まえ、東京にふさわしい形で普及を進めていくことが必要と認識しております。
 都は今後、既に事業を実施している各区のノウハウも活用しながら、引き続きステーション設置に向けた調整を初め、多角的な支援を行い、他の地域における事業化を促進していくとともに、自転車シェアリングの認知度向上のための情報発信を強化してまいります。
 さらに、利用者の利便性向上などの観点から、区境を越えた相互利用の実現に向けて、関係区と設置した都区連絡会において課題を具体的に整理しながら検討を進めてまいります。

〇菅野
 そして、自転車シェアリングの普及とともに、東京では、アーバンツーリズムの展開に自転車を生かすことも重要であります。
 都心のさまざまな魅力あるスポットを自転車で回れるということは、それ自体が極めて有効な観光資源ともなり得るものです。そのためには、自転車を使う人の立場に立った観光地や駐輪場などのわかりやすい案内を充実するなど、ソフト面の対策を進めるとともに、例えば、景観も美しく多くの人々が楽しめる場所で自転車を安全に利用できるような走行空間の整備が必要であります。
 私の地元である港区には、従来から観光客に人気のある東京タワーを初め、神社仏閣、美術館等の大人にも魅力ある多くの観光スポットがありますが、そこから海を渡ればお台場があり、この地区には、ホテルや映画館、ミュージアムを初め、食事や買い物をすることができるエンターテインメント施設等が多く立地しています。
 現在、レインボーブリッジのほか、自転車も乗せられる海上バスにより、多くの人々がお台場を訪れていますが、この地域を自転車で回れるようになれば、ダイナミックな港の景観を楽しみながら観光スポットを自由に行き来できるようになります。
 そこで、このお台場を含む臨海副都心を観光で訪れる人々が、環境に優しく、観光ツールとして有効な自転車で自由に回遊できる自転車走行空間を整備すべきであると考えますが、都の見解を伺います。

○港湾局長(多羅尾光睦君)
 臨海副都心における自転車走行空間についてですが、臨海副都心は、最先端のアミューズメント機能を備えた都市型商業施設や、水辺の景観が楽しめる公園、文化、スポーツ施設等が集積した日本有数の観光エリアとなっております。
 自転車走行空間の整備は、このエリアの新たな観光資源となり、その魅力向上につながるものと考えております。今後、地元区等との連携を図り、国内外から訪れる誰もが自転車で安全かつ自由に回遊することができるよう、魅力ある自転車走行空間の整備を進めてまいります。
 また、整備に当たっては、自転車利用者も自転車と一緒に、海上バスで臨海副都心へより気軽に来訪できるよう、自転車の海上バスへの乗降を円滑にする船着き場の整備や、そのアクセス改善にも積極的に取り組んでまいります。

4.障害者施策について

〇菅野
 次に、障害者施策について伺います。
 我が都議会自民党は、高齢者や障害者が地域で安心して暮らせる幸福実感社会の実現を目指しています。
 都においては、平成十六年度より、入院中の精神障害者の退院促進に取り組み、長期入院者が年々減少するなど着実に成果が得られていますが、いわゆる社会的入院といわれる方々もまだ多くいらっしゃいます。
 入院期間が長期化すると、相談支援事業所など、地域の支援者との関係が途絶えたり、もともと住んでいたアパートにいられなくなるなどにより、地域の受け入れ体制が整わないことから、退院が難しくなると聞いています。そのため、入院後早期から病院と地域とが連携して退院に向けた支援を行い、精神障害者の長期入院を防ぐことが必要です。
 しかし、東京は、精神科病院が特定の地域に集中しているという特徴があり、入院している病院と入院前に住んでいた地域が遠く、病院と地域の支援者との日ごろのつながりが薄いため、連携体制が築きにくいという課題があります。
 昨日の我が党の代表質問において、東京都地域医療介護総合確保基金の基本的な考え方について伺いました。
 そこで、この基金を活用し、精神障害者が住みなれた地域へ早期に退院できるよう支援すべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○福祉保健局長(梶原洋君)
 精神障害者の早期退院に向けた取り組みについてお答えします。
 精神障害者の入院の長期化を防ぐためには、入院後の早い時期から、精神科病院と地域が連携し、退院に向けた支援を行うことが重要でございます。
 そのため、医療介護総合確保法に基づき、今回定めた東京都計画では、精神障害者の早期退院を図るために、社会復帰等に関する相談や病院内外との調整を行う精神保健福祉士を配置する病院への支援を盛り込みました。
 また、退院に向けた支援計画等を検討するため、病院が地域の相談支援機関の参加も得ながら開催する退院支援委員会についても支援することとしております。基金はこうした取り組みに充当する予定でございまして、今後とも、基金を有効に活用し、精神障害者の早期退院に向けた取り組みを一層推進してまいります。

5.中小企業支援について

〇菅野
 最後に、中小企業支援について伺います。
 日本経済は、二年前の政権交代以来、安倍首相のもとで推進してきた経済政策により、雇用や賃金が改善するなど、着実に回復へと歩みを進めてきましたが、足元の経済情勢を見ると、消費増税の反動や原材料費の高騰など、中小企業、とりわけ小零細企業にとって厳しい状況となっており、特に急速に進む円安への対応は大きな課題です。
 このような状況を捉え、都は先般、年末、年度末に向けた融資や相談などの特別対策を講じましたが、デフレ脱却を確実なものとし、成長軌道を描いていくには、今後も手を休めることなくさまざまな取り組みを推し進め、中小企業にその効果を行き渡らせる必要があります。
 そこで、今後の中小企業支援に対する知事の基本的な考え方を伺います。

○知事(舛添要一君)
 菅野弘一議員の一般質問にお答えいたします。
 中小企業支援に関する基本姿勢についてでございますが、私が目指すのは、東京が都民に夢と希望を与え幸せを実感できる都市であり続けることであります。それを実現する基礎となるのは力強い経済であります。全ての都民が本当の豊かさを実感できる社会の実現に向けて、何としても経済を活性化させなければなりません。
 そのためには、地域の産業や雇用を支え、経済成長の原動力である中小企業が、外部環境の変化に適応しながら、しっかりと経営を続けていけるよう的確な手だてを講じていく必要があります。
 そこで、日々懸命な努力を重ねている中小企業の経営基盤を強化するため、取引先の開拓や資金繰りなど、経営課題の着実な解決に向けたサポートに一層の力を入れてまいります。
 また、小さいながらも高い技術力を持つ中小企業が、健康、環境、危機管理など、今後の需要拡大が期待される産業分野で成長に向けたイノベーションを進めていけるよう、付加価値の高いものづくりを支援し、それに必要な設備投資も強力に後押ししてまいります。
 こうした施策を機動的に展開することで、東京の産業を担う中小企業の底力を引き出し、持続的な発展を確かなものとしてまいります。

〇菅野
 中小企業の資金調達の多様化について伺います。
 中小企業が事業を営む上で何より切実なのは資金繰りであり、中小企業の経営の安定や成長を支えるため、実態を踏まえた多様な資金調達手段を提供することが重要です。中小企業は、経営のさまざまな局面で事業資金を必要としますが、既に一定の借り入れがある場合には、土地や建物を担保にしない限り、追加の借り入れができないという話を耳にします。
 こうした中、都が実施している動産・債権担保融資、いわゆるABL制度は、中小企業の資金調達に新たな道筋を示すものとして活用が期待できます。都の取り組みを強化し、中小企業や金融機関に本制度のさらなる活用を促すことで、こうした融資手法が民間にも広がっていくのではないかと考えます。都のABL制度の現状と今後の取り組みについての所見を伺います。

○産業労働局長(山本隆君)
 都のABL制度についてでございますが、中小企業の資金調達の選択肢を広げ、経営基盤の強化や新たな事業展開を支えるため、都は今年度、中小企業が持つさまざまな事業用資産を担保対象とするABL制度を開始いたしました。
 これまでに、多数の取引先に対する売掛債権を一括して担保とした融資や、トラックや金属加工用機械などの動産を担保とした融資が実行されております。また、取扱金融機関の数は、制度開始当初の十九行から、現在では二十五行にまで増加しており、銀行や信用金庫、信用組合の取り組みも徐々に広がりを見せております。
 今後とも、都内中小企業の資金ニーズに的確に対応するため、制度の充実について検討を進めるとともに、さらなる利用の促進を図ってまいります。

〇菅野
 海外販路支援の推進について伺います。
 円滑な資金調達と同時に企業の成長に結びつく前向きな事業活動についてもしっかりと後押しをしていく必要があります。最近では、新たな収益源の確保のための海外の販路開拓に取り組む企業がふえており、経済成長の著しいアジア地域などの海外需要を積極的に取り込めるよう支援することが重要です。
 東京の多くの中小企業は、高い技術力やすぐれた製品を有し、海外でビジネスを展開できる十分なポテンシャルがありますが、経営資源が限られ、製品PRなど現地での営業活動を十分に行えません。また、海外で製品を販売する場合、取引先の開拓だけではなく、取引後のメンテナンスや修理への対応などが大きな課題となります。
 海外での取引を継続し、さらに拡大していくために、都内中小企業の現地での活動に対する積極的な支援が必要だと考えますが、所見を伺います。

○産業労働局長(山本隆君)
 中小企業の海外販路開拓支援についてでございますが、都内中小企業が海外市場で販路を開拓し、取引を継続的に行っていけるようにするためには、現地での営業活動に対するきめ細かい支援が重要でございます。
 このため、中小企業振興公社では、今年度、都内中小企業の販路開拓ニーズが高いタイにおいて、現地金融機関と連携し、中小企業による販売やメンテナンス拠点の設置、ビジネスパートナーの発掘などへの支援を開始いたしました。
 今後は、都内中小企業のすぐれた技術と製品のPRや商談などの営業活動を現地で直接サポートできるよう、さらなる支援体制の整備を検討してまいります。これらの取り組みによりまして、アジア市場の旺盛な需要の獲得に向け、一層の販路拡大を目指す都内中小企業の活動を積極的に支援してまいります。
 

※読みやすさを重視し、質問と回答が一対一となるように再構成しております。
実際の質問の様子は都議会WEBサイトにて「本会議の会議録」をご覧ください。 https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2014-4/03.html#09

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