経済・港湾委員会

平成二十八年十一月二十二日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議

平成28年11月22日、経済・港湾員会にて、卸売市場の整備方針に関連して、卸売市場を取り巻く環境の変化、公共的役割と役割を果たしていくためのとりくみ、ニーズや時代の要請への対応について質問いたしました。


経済・港湾委員会

■都卸売市場の整備方針について

1.卸売市場を取り巻く環境の変化について

〇菅野委員

 それでは、きょうは、事務事業の質疑ということですので、私からは、この機会に、都の卸売市場全体の整備方針について伺いたいと思います。
 本年九月の東京都卸売市場審議会において、今後の都における卸売市場の整備のあり方の基本的な考え方を示す第十次の東京都卸売市場整備基本方針が答申されました。
 これまで、特に豊洲市場のことが何かと話題になってきていますが、都内には十一の中央卸売市場と十二の地方卸売市場があり、これらが相互に連携しながら流通ネットワークを形成しています。
 卸売市場は、生鮮食料品等の卸売の中核拠点であり、都民の日々の食生活を支える生活インフラとして非常に重要な役割を担っています。いいかえれば、卸売市場が日々その機能を発揮し、円滑な事業運営がなされることで、我々は豊かで安定した食生活を営むことができるものであります。
 そこで、本日の質疑を通して、都の卸売市場の現状やその役割、そして今後のあり方などについて見識を深めていきたいと考えています。
 近年、卸売市場を取り巻く環境は大きく変化しているといわれていますが、具体的にどのような変化が生じているのかをまず伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務

 近年の卸売市場を取り巻く環境は、少子高齢化の進行、単独世帯数の増加など社会環境の変化に加え、食の外部化、簡便化、専門小売店の減少、小売業態の多様化、出荷団体の大型化など大きく変化しております。
 こうした中で、卸売市場においては、取扱数量や取扱金額が長期的に減少傾向にあること、生鮮食料品等の流通チャネルの多元化や輸入品の増加等を背景として、卸売市場経由率が長期的に低下傾向にあること、さらに、大型化した出荷団体による出荷先市場の限定などにより、市場間格差が拡大する傾向があるなどの動きがございます。

2.現時点における卸売市場の公共的役割について

〇菅野委員

 卸売市場は、今日に至るまで、公共性の高い社会インフラとして我々の生活を支えてきました。しかし、こうした近年の状況を踏まえると、卸売市場が担うべき役割もこれまでと違ってくるのではないかと思います。
 最近の国の会議の議論では、卸売市場は、食料不足時代に求められていた公平分配機能の必要性が小さくなっており、さまざまなタイプが存在する物流拠点の一形態にすぎず、より自由に業務を行えるように、時代おくれの法規制は廃止すべきという意見すら聞かれます。
 しかしながら、こういった議論は、卸売市場の機能を一部の側面から評価しているにすぎず、卸売市場が果たしてきた役割やさまざまな機能の全体を見て、総合的に議論しているとはいいがたいと思います。
 今後、都の卸売市場の整備を進めるに当たっては、近年の状況の変化を踏まえて、改めて、卸売市場が果たすべき公共的役割について整理する必要があるのではないかと思うわけです。
 そこで伺いますが、現時点における卸売市場の公共的役割をどのように認識しているのでしょうか。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務

 卸売市場を取り巻く環境は近年大きく変化しておりますが、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給するための基幹的インフラとしての公共的役割の重要性は変わっておりません。
 第九次東京都卸売市場整備計画においては、都民の食生活の安定を担保、都民の食の安全を確保、生産者、実需者がいつでも利用できる開かれた取引の場の三点を基本的役割として挙げておりましたが、こうした従来からの役割に加えまして、近年の生鮮食料品等の流通を取り巻く環境の変化や海外からの日本食に対する関心の高まり、あるいはインバウンド消費への増大等を背景とする時代の要請に応えるための新たな多面的役割といたしまして、都民の多様化するニーズへのきめ細かな対応、サプライチェーンの中間結節点としての機能の発揮、日本の食文化の発信、インバウンドへの対応、地域への貢献の四点への対応が求められていると認識しております。

3.多様化するニーズへの対応について

〇菅野委員

 今ご答弁にあったように、これまでの食生活の安定の確保や安全の確保といった普遍的な役割に付加し、多様化するニーズへの対応やサプライチェーンの中間結節点としての機能の発揮など、その公共的役割は多面化しているとのことであります。
 このうち、多様化するニーズへの対応とは、具体的にどのようなことをいうのでしょうか、伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務

 消費者の生鮮食料品の購入においては、鮮度や安全性などが重視されるとともに加工された生鮮食料品へのニーズが高まっております。また、人や社会、環境に配慮した商品を選択する、いわゆる倫理的消費といった動きも見られます。
 今後、都の卸売市場は、こうした個々のライフスタイルや多様な価値観等に基づくさまざまなニーズへ対応し、品ぞろえなど強化してく必要がございます。

〇菅野委員

 各市場が消費者のニーズを捉えながら、それぞれの特性を踏まえ、特色のある品ぞろえに取り組んでいくことが重要であるかと思います。

4.サプライチェーンの中間結節点としての機能の発揮について

〇菅野委員

 また、サプライチェーンの中間結節点としての機能の発揮とは、具体的にどのようなことがあるのか伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務

 近年、長距離トラック運転者の不足等のため、産地から複数市場の荷がまとめて出荷されることが多くなってきており、卸売市場は荷の仕分けですとか、積みかえ等に対応することが必要になってきております。
 また、小売チェーンからは、多頻度小口配送など、サービス水準の向上が求められております。さらに産地からの生産にかかわる情報と小売店や飲食店等からの商品ニーズにかかわる情報の両方が集積される卸売市場の特性を生かし、産地、実需者が求める情報の積極的な提供や、双方のニーズのマッチングを行っていくことも重要であります。
 このように、サプライチェーンの中間結節点である卸売市場が、その機能をより一層発揮していくことが求められております。