平成三十年十月二十二日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議

平成30年10月22日、東京都議会 平成29年度各会計決算特別委員会 第三分科会にて、マンション再生まちづくり制度、木密地域の不燃化について質疑を行いました。

■マンション再生まちづくり制度について

1.これまでの取り組みの状況について

○菅野委員

 私の方から、まずはマンション再生まちづくりについて伺います。
 これは以前、二十八年の予特でもちょっと質問させていただいたその後ということでございますが、都内の分譲マンションは約百八十一万戸で、そのうち約二割が旧耐震基準です。こうした老朽化マンションについては、建てかえや改修等により再生を促進していくことが重要です。
 しかし、老朽マンションの建てかえ検討では、都市計画や建築規制上の既存不適格となっているために、単体では建てかえが困難となっている事例が多く見られます。
 この現状を打開するため、都は、敷地の共同化など、まちづくりと連携し建てかえを促進する仕組みとして、平成二十七年度から二年間をかけてモデル事業を実施しました。そして、その結果を踏まえ、昨年の四月、マンション再生まちづくり制度を創設しています。
 そこで、現在までのその取り組みの状況を伺いたいと思います。

○栗谷川民間住宅施策推進担当部長

 マンション再生まちづくり制度を創設した昨年四月以降、品川区の大崎西口駅前地区、杉並区の方南町駅周辺地区及び多摩市の諏訪永山地区の三地区におきまして、地区内のマンション再生に向けた将来目標や取り組み方針を示すまちづくり計画の策定に対し、区市へ支援を行ってまいりました。
 その後、大崎西口駅前地区及び諏訪永山地区につきましては、区市のまちづくり計画が策定されたことを受け、都は本年四月、同制度のマンション再生まちづくり推進地区に指定しております。また、方南町駅周辺地区では、地区内のマンションにおける耐震化の検討状況などに応じ、マンション再生と連携したまちづくりについて区と情報交換を重ねてございます。
 引き続き、まちづくりの動向を注視してまいります。

2.制度のさらなる普及への取り組みについて

○菅野委員

 三つのモデル事業のそれぞれの進捗を伺いました。
 こうした事業というのは、それぞれやはり課題が異なり、今お話も伺いましたけれども、その解決には十分時間をかけていかなければならないのかもしれません。
 しかしながら、老朽化マンション対策というのは、やはり災害のことを考えますと、なるべく早くやっていった方がいいにはこしたことはないので、引き続き、区市とも連携して、再生に向け事業を推進するよう、よろしくお願いしたいと思います。
 また今後、都はせっかくのこの本制度のさらなる普及に努めるべきだと私は考えますが、その辺の見解を伺いたいと思います。

○栗谷川民間住宅施策推進担当部長

 容積率や絶対高さ制限などで既存不適格になっているなど、単独での建てかえが困難なマンションにつきましては、本制度の活用により、周辺との共同化など、まちづくりと連携して建てかえを促進することが有効でございます。
 例えば、推進地区に指定した諏訪永山地区では、市が合意形成支援の補助制度を創設するとともに、地区内のマンション管理組合で建てかえ検討を進める動きが見られるなど、建てかえ促進に向けた機運が高まってございます。
 今後とも、マンションの建てかえを促進するため、本制度の活用により、区市町村のまちづくりと連携しながら管理組合の支援を進めることが重要と考えてございます。

■木密地域の不燃化について

1.不燃化特区における二十九年度の実績について

○菅野委員

 今後、このマンション再生まちづくり制度が良質なマンションストックの形成に大いに貢献することを期待して、次の質問に移ります。
 次に、木密地域の不燃化について伺います。
 これは、決算説明書にある防災密集地域再生促進事業に関する内容となります。
 四年前の決算特別委員会でもこのことは質問させていただいておりますが、不燃化特区の事業開始年度である平成二十五年度の実績及び取り組み状況などをそのときは伺いました。当時、十二地区を順次指定し、さらに拡大していく、区と連携し不燃化特区を積極的に進め、不燃化を強力に進めるとの答弁をいただきました。
 そして、それから四年、不燃化特区は十九区の五十三地区、三千二百ヘクタールで事業が展開されるまでに拡大しており、各区の熱心な取り組みに敬意を表したいと思っております。また、都においても各区の取り組みに対し積極的に支援を行っていることと思います。
 そこでまず、不燃化特区における二十九年度の助成件数や執行額を踏まえた実績について伺います。

○安部防災都市づくり担当部長

 不燃化特区は、木密地域の改善を一段と加速させるため、平成二十五年度から取り組みを開始しておりまして、委員お話しのように、現在五十三地区を区の提案に基づき指定しております。
 特区では、再開発などの不燃化に効果の高いコア事業を設定するとともに、平成三十二年度までの重点的、集中的な特別の支援としまして、戸建て住宅への建てかえ助成や固定資産税、都市計画税の優遇措置などを実施しております。
 平成二十九年度におきまして、コア事業のうち再開発などにつきましては、新たに大山町クロスポイント周辺地区など二地区で都市計画決定、一地区で事業認可、一地区で完了したほか、五地区で事業を進めております。
 建てかえ及び除却の助成件数は、実施地区が五十三地区となりました平成二十八年度の七百九件から、二十九年度は約一・二倍の八百十八件、同様に執行額は約十二・七億円から約一・四倍となる約十八・二億円となっておりまして、助成件数、執行額とも拡大しております。

2.住民への支援について

○菅野委員

 私が四年前に質問したときから見ますと、特区を中心に不燃化が進んでいるなというふうに感じました。
 二十九年度の執行率四五・三%は、必ずしもよいとはいえない数字ですけれども、年々助成件数、執行額が伸びている状況でもあります。これは直接住民に働きかけを行っている地元区の努力によるものだと思います。今後も、都には区への強力な支援をお願いしたいと思います。
 そこで、不燃化を進めるためには、さらに都区が連携して取り組みを加速させる必要があると思いますが、都は区を通して、住民に対してどのような支援を行っているのか伺います。

○安部防災都市づくり担当部長

 不燃化特区では、建てかえに向けた住民への働きかけを行うため、都は区が行う全戸訪問に対して支援し、平成二十八年度からは、専門家とともに複数回訪問し、建てかえプランの提示を行えるようにいたしました。平成二十九年度までに延べ六万五千件を超える各戸に訪問し、建てかえに結びつく事例もふえておりまして、今年度も各戸への訪問を進めて除却や建てかえを促しております。
 また、区と共同して行う専門家の講演による不燃化セミナーの開催地区を二十九年度の十二地区から今年度は十五地区へふやすとともに、ファイナンシャルプランナーなどによる個別相談会を同時に開催することによりまして、住民の課題解決に結びつけ、建てかえ意欲の向上を図っております。
 平成二十九年度からは、建てかえに際して借家人などの移転が円滑に進むよう、引っ越し費用などへの支援を開始し、その活用を区に働きかけたことから、昨年度の二区から今年度は四区が助成をメニュー化しておりまして、老朽家屋の除却などを促しております。
 こうした住民に向けた区の取り組みは人手もかかることから、効率よく取り組めるよう、都としては、区の実情に応じまして都市づくり公社の活用などの提案をし、人員の不足を補う技術的、財政的支援を行うことで、着実に地域の改善を進めております。
 燃えない、燃え広がらないまちの実現に向けまして、今後とも工夫を加え、さらなる取り組みを推進してまいります。

○菅野委員

 不燃化特区の取り組みについては、精力的にその活動を行っていただいていて、その成果があらわれてきていると感じました。
 引き続き、危機意識を持って、木密地域の不燃化に向け、目に見える形で成果を出していただくよう要望して、質問を終わります。

【都議会リポート】
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/special-accountiong/2018-12.html