平成30年9月27日(木)、かんの弘一(港区選出 都議会議員)は、東京都議会 平成30年 第三回東京都議会定例会にて一般質問を行いました。

■BRT(バス・ラピッド・トランジット)の運行と展望について

1.BRTの先行的運用について

○菅野

 最初に、先日の北海道胆振東部地震、台風二十一号を初め、この夏、日本各地で相次いだ大規模災害によってお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、いよいよ築地市場の移転が始まり、今後はこの二年間のおくれを取り戻すため、移転延期の影響を受け遅延している多くの事業に全力で取り組まなければなりません。
 その一つ、先日、虎ノ門や新橋などの都心と臨海地域とを結ぶBRTについて、周辺状況の変化を踏まえ、事業計画が改定され、運行時期やルートが明らかになりました。
 かつて、地元の環状二号線新橋─虎ノ門区間開通の折に、将来、BRTがオリンピックの新たな交通システムとして、選手村や競技会場のある臨海部を観光客や選手を乗せて行き交うと聞き、地域は大きな期待を抱きました。
 しかし、その後の環状二号線本線全線開通のおくれによる知事の記者会見でのBRTについては大会後の発言には、多くの人が落胆しました。
 今回、まずは東京二〇二〇大会までの先行的な運行が決まったことは、虎ノ門、新橋を初め、臨海地域で活動される方々にとって喜ばしいことでありますが、返す返すも残念なのは、環状二号線が暫定の地上部道路であること、そして、当初計画よりも試行路線が短縮されていることで、BRT本来の特徴が十分に発揮できず、二〇二〇大会時の交通需要には貢献できないということです。
 それでも、大会前から開始するBRTの先行的運行は、都としてしっかりと意義のあるものにすべきと考えます。都の見解を伺います。

○佐藤伸朗都市整備局長

 まず、BRTの先行的な運行についてでございますが、先行的な運行は、東京二〇二〇大会前に虎ノ門と晴海との間で開始し、大会後に有明や豊洲などへ運行系統を拡大することとしております。これにより、鉄道の利用が不便な地区を初め、開発が進む臨海地域での交通需要の増加に速やかに対応いたします。
 運行に当たっては、輸送力の高い連接バスや水素を使用する燃料電池バスを導入するとともに、車椅子使用者など、あらゆる人がスムーズに乗りおりできる停留施設を整備いたします。
 加えて、車両や停留施設等について、一貫したコンセプトをもとにデザインを行い、BRTの魅力を発信してまいります。
 これらの取り組みにより、本格運行への円滑な転換を図ってまいります。

2.BRTの本格運行について

○菅野

 このBRTには、二〇二〇大会後の臨海地域の大きな交通需要への役割が期待されています。
 そこで、BRTの本格運行では、東京の新しい交通システムとしてどのような公共交通機関を目指すのか伺います。

○佐藤伸朗都市整備局長

 BRTの本格運行についてでございますが、本格運行では環状第二号線本線を走行し、運行便数や系統数をふやして利便性を高め、選手村地区の再開発などにも対応してまいります。
 また、先行的な運行での取り組みに加え、全ての扉での乗りおりや、車内で現金を取り扱わない運賃収受方式により停車時間の短縮を図るとともに、交差点でバスの通過を優先させるシステムの導入などを図ってまいります。
 これらの取り組みにより、LRTや新交通システム並みの速度を目標とし、速達性、定時性を確保してまいります。
 東京の新たな輸送システムとして、BRTの魅力を高め、東京ベイエリアの発展を支える公共交通機関となるよう、着実に取り組んでまいります。

■品川周辺のまちづくりについて

○菅野

 品川駅周辺のまちづくりについて伺います。
 品川駅と田町駅の間に現在建設中の新駅は、東京二〇二〇大会が開催される年に暫定開業するとのことで、既に駅舎の外見も見える状態となっています。新駅を含む品川駅北周辺地区は、JR東日本の車両基地跡地開発を中心に、世界や全国とつながる新たな国際ビジネス拠点の形成が期待されています。
 また、この地区は、これまで鉄道により隔てられていた西の高輪地区と東の芝浦港南地区の間に位置しており、地域からも、東西のまちをつなぐ基盤としての整備が望まれています。
 そこで、新駅周辺で進むまちづくりによって、東京の成長を牽引する拠点をどのように形成し、また、地域の課題をどのように解決するのか、都のお考えを伺います。

○佐藤伸朗都市整備局長

 都は、地元区や国、事業者などとともに策定したまちづくりガイドラインに基づき、国際交流拠点の形成に向けて開発を計画的、段階的に誘導しております。中核となる新駅周辺地域については、先月、この方針に沿って事業者から開発計画の提案がされました。
 具体的には、国際的なビジネスセンター機能やMICE機能、国際水準の居住、滞在機能の導入を図るとともに、鉄道などによるまちの分断を解消するため、高輪と芝浦地区の間や品川駅、田町駅相互をつなぐ歩行者ネットワークなどの整備を進めることとしております。
 引き続き、品川駅街区など隣接する地区との連携も図りながら、回遊性を高めるまちづくりを誘導し、世界の人々が集う魅力ある拠点形成を進めてまいります。

■臨海副都心について

1.臨海副都心の今後の展望について

○菅野

 臨海副都心は、東京二〇二〇大会を通じてさらに知名度を上げることが期待されます。現在も、レインボーブリッジや都心のビル群を背景にしたセルフィーを撮りに来るなど、国内外から多くの人々が臨海副都心に来訪しています。世界的な大都市東京の中心部でこれだけリゾート感を楽しめる場所は大変貴重です。
 私の地元港区は、都と協力し、東京二〇二〇大会時の競技会場になるお台場海浜公園で水質改善に取り組むとともに、海水浴体験を実施してきていますが、ことしの夏は、二〇二四大会の開催都市に決まったパリ市と協定を締結し、お台場プラージュとして、プラージュはフランス語で砂浜を指すそうですが、おしゃれなテントやパラソル、デッキチェアなどを並べ、拡大開催を実施したところでもあり、本格的な海水浴に向けて地元の機運も高まっているところです。
 東京二〇二〇大会後のさらなるにぎわいのあるまちを目指すためにも、こうした海辺の魅力、観光資源を十分に活用することで、臨海副都心の魅力を一層向上させていくべきと考えますが、今後の展望を伺います。

○斎藤真人港湾局長

 東京二〇二〇大会後の臨海副都心の魅力向上についてでございますが、東京二〇二〇大会では、水辺の立地を生かしたトライアスロンやビーチバレー、若者に人気の高いスケートボードやスポーツクライミングなど多様な競技が行われ、臨海副都心の注目度が高まることが期待されます。
 大会後の魅力向上のためには、このエリアのにぎわいを成長発展させていくことが重要であり、今年度から実施しております海水浴事業、お台場プラージュにつきましては、地元区と連携し、今後事業の拡大に努めてまいります。
 さらに、海上公園に民間の活力やノウハウを活用したカフェを誘致するなど、新たなにぎわいを創出し、このエリアの魅力を高めてまいります。

2.観光協会の機能強化への支援について

○菅野

 今後、観光客の一層の増加が期待される中、都内各地に国内外から訪れる旅行者を誘致するため、地域の観光振興をリードする観光協会の役割がますます重要となっています。
 各地域では、観光協会がそれぞれの特色を生かしたさまざまな工夫を凝らした取り組みをしていますが、観光客に興味や関心を持って足を運んでもらうためには、観光客のニーズや地域の強みをしっかりと把握しなければなりません。協会だけでなく、地域のさまざまな団体などと協力した取り組みや新たな発想に基づく事業の展開も必要でありますが、それらの実現には試行錯誤をしていることも多いのが実情です。
 そこで、観光によって地域を盛り上げていくためには、地域の観光協会の機能強化に向けた支援の充実が必要と思います。所見を伺います。

○藤田裕司産業労働局長

 地域の観光協会への支援についてでございますが、東京の観光振興を図る上で、都内各地の観光協会が新たな知見やノウハウを取り入れ、効果の高い旅行者誘致に取り組むことは重要でございます。
 このため、都は観光協会に対し、地域の課題に即した専門家の派遣や、大学生のインターンによるアイデアの提供とともに、これらによる事業の具体化を支援しております。今年度からは、複数の専門家をチームで派遣し、よりきめ細かな対応ができるよう、支援の充実を図っております。
 また、観光人材の育成に向けた研修では、地域のプロモーションなどの実務的な内容に加え、団体の収入確保に役立つ内容を拡充いたします。
 今後は、マーケティング手法などを活用した経営力の強化に資するサポートの充実を検討し、観光協会の機能の強化につなげてまいります。

■中小企業の海外展開について

1.中小企業の海外進出支援について

○菅野

 中小企業の海外進出支援について伺います。
 少子高齢化の一層の進展により、国内市場の大きな伸びが期待できない中、都内中小企業は、今後、成長著しい東南アジアの市場を取り込むことは重要です。
 ただ、東南アジアの市場を開拓するに当たっては、現地での商談や販売後のアフターサービスなど、海外で直接、取引先との対応を求められることも多くなります。そうした対応には、まずは専門商社などの代理店を活用することで、初期投資を抑えながらビジネス展開をしていく手法がありますが、一方で、それぞれの企業にとって最適な営業活動に取り組むなど、海外でのビジネスを本格的に展開していくためには、現地における法人設立や事務所の開設が必要となってきます。
 こうした中小企業の取り組みについては、リスクも多いことから、今後は、都としても積極的なサポートを行っていくべきです。お考えを伺います。

○藤田裕司産業労働局長

 中小企業の海外市場への進出の支援についてでございますが、東京の中小企業の事業拡大に向け、今後の成長の期待のできる東南アジアの市場で販路の開拓等の取り組みを一層効果的に展開できるよう支援することが重要でございます。
 都では、中小企業振興公社のタイ事務所やベトナムの窓口などで、各国の商慣習や法令等の情報を提供するほか、取引先の候補となる現地の会社の紹介を行っております。また、中小企業が東南アジアで製造業者に生産を委託する場合や、サービス業者と代理店契約を結ぶ取り組みへの支援も実施しているところでございます。
 中小企業が取引をさらに拡大するため、現地に営業所などを設ける動きも進んできております。
 今後、中小企業のこうした海外での積極的な事業展開に対する支援の充実を検討してまいります。

2.中小企業の欧米市場での事業展開について

○菅野

 都内中小企業が海外展開する上で、これまでは日系企業の進出も多く距離的にも近い東南アジア地域を選ぶ中小企業が多くありました。
 しかし、昨今、力をつけてきたアジア企業との競争激化に伴い、より付加価値の高い商品でのビジネスにシフトしたい中小企業が、欧米市場への進出を検討するのは今や自然な流れになっています。
 さらに、既に欧米市場で取引している中小企業にとっても、アメリカの通商政策やイギリスのEU脱退、EUによる個人情報保護の強化などに対応した的確なリスク回避が必要です。
 また、日EU経済連携協定により、ほぼ関税が撤廃されることから、ビジネスチャンスを取り込むための取り組みなども求められています。
 欧米市場は中小企業にとってハードルの高いものの、こうした状況を踏まえて、都としての支援の充実が必要と思います。見解を伺います。

○藤田裕司産業労働局長

 中小企業の欧米市場での事業展開についてでございますが、東京の中小企業がすぐれた技術やノウハウで生み出した高付加価値の商品を欧米市場で提供できるようにするためには、きめ細かいサポートを行うことが必要でございます。
 都は、欧米市場での取引に必要な法令や契約のルールなどの知識を、進出を目指す中小企業に提供しております。また、都内の中小企業の高度な技術により製造された航空機や医療機器の部品を欧米の企業に販売するきっかけをつくるため、国際的な見本市への出展を支援しております。
 我が国とEUとの間で経済連携協定が結ばれるなど、海外市場の状況に影響を及ぼす要因は多く、取引に係る制度変更等を理解する重要性は増しております。
 今後は、現地でのより詳しい情報を収集し提供する仕組みの充実を検討し、中小企業の海外展開を着実に支援してまいります。

■東京DMATへの都の取り組みについて

○菅野

 都の災害医療対策に関して伺います。
 阪神・淡路大震災では、通常の救急医療が確保されていれば助かっていたとされる防ぎ得た災害死で約五百人の方が亡くなりました。そのことをきっかけとして、平成十六年八月に、大地震等の自然災害を初め、大規模交通事故等の都市災害において、被災現場に出動し、多数傷病者等に対して救命処置を行う災害医療派遣チーム東京DMATが日本で初めて発足しました。
 発足から現在に至るまで、我が党は東京DMATを初め、全国のDMAT活動について応援をしています。
 都は、平成十六年以降も、指定病院の拡充など充実強化に取り組み、現在、都内二十五の指定病院、そして千名のDMAT隊員を確保していると聞いています。
 平成二十三年に発生した東日本大震災においては、都内の災害現場のみならず、宮城県や福島県の被災地に長期にわたり東京DMATが派遣され、効果的な医療救護活動が行われました。その東日本大震災の教訓から、平成二十三、二十四年度には、東京DMATカーが配備され、大規模災害発生時において長時間に及ぶ東京DMATの現場活動を支える体制が整備されてきたところであります。
 そこで、このたびの北海道胆振東部地震などの発生を受け、首都直下地震などの大規模災害時における被災地での東京DMATが行う救命処置等、救護活動の重要性が一層増していると思いますが、都の取り組みについて伺います。

○内藤淳福祉保健局長

 東京DMATに関するご質問にお答えいたします。
 都は、災害現場におきまして東京DMATが効果的に機能を発揮できるよう、東京DMATカーや医療資器材等の装備品を指定病院に配備しております。また、隊員の技能や資質の向上を図るため、東京消防庁と連携した活動訓練や研修を行っております。
 東京DMATの活動に必要な装備品や訓練、研修のカリキュラム等は、指定病院や東京都医師会などの関係機関で構成する東京DMAT運営協議会で検討し、常に見直しを図っているところでございます。
 今後とも、総合防災訓練などを通じまして、首都直下地震等の災害や大規模事故において効果的な医療救護活動を展開できるよう、東京DMATの活動への支援を充実してまいります。

■東京二〇二〇大会へ向けた都営地下鉄におけるテロ対策について

○菅野

 東京二〇二〇大会の開催まで二年を切り、いよいよ目前に控える時期に入りましたが、オリンピック・パラリンピックが世界中の注目を集める国際イベントであることから、この機会を狙ったテロの脅威は重大な懸念であります。
 近年、欧米諸国においては、公共交通機関や集客施設等が狙われる、いわゆるソフトターゲットを対象にした無差別テロがふえています。例えば、昨年四月にはロシア・サンクトペテルブルクの地下鉄で、また同年九月にはイギリス・ロンドンの地下鉄において、爆発テロにより多くの死傷者が発生しています。
 このような状況を踏まえ、国においては、東京二〇二〇大会を見据えたテロ対策推進要綱を作成し、官民を挙げた取り組みを急いでいるところであります。
 この中でも、ソフトターゲットを対象とするテロの未然防止は重要な取り組みの一つとなっており、大会期間中に、多くの観戦者やボランティアが集まる競技会場の最寄り駅などにおける一層の警戒強化が重要であります。
 都営地下鉄においても、ハード、ソフト両面からさまざまな取り組みを行っていると聞いていますが、二年後の大会に向け、取り組みを加速するべきと考えます。
 そこで、都営地下鉄における東京二〇二〇大会を見据えたテロ対策について伺います。

 

○山手斉交通局長

 交通局では、テロの未然防止を図るため、駅員や警備員による巡回強化を行うとともに、警察や消防と連携し、NBCや不審者等に対する訓練を実施してございます。
 また、東京二〇二〇大会に向けて、主要駅で監視カメラの増設を進めており、今年度からは迅速な初動対応による被害の最小化を図るため、テロ等発生時に監視カメラの映像を警察へリアルタイムに送信する仕組みを導入いたしました。
 さらに、大会時に特に警戒を必要とする駅につきましては、警備員を増強いたしますとともに、映像を解析することで不審物の置き去り等を検知する新技術に対応したカメラの導入を進めてまいります。
 今後とも、都営地下鉄のテロ対策を強化し、輸送の安全確保に全力で取り組んでまいります。

○菅野

 最後に、昨日の代表質問でも触れましたが、任期の折り返しを迎えた知事は、これまでの二年間を振り返られ、所信表明でも、そして昨日のご答弁においても、ご自身には反省すべき点がないというお答えのようでした。
 知事は、新たな種まきをして水やりをしてきた、もうすぐ芽が出て花が咲くとおっしゃいますが、果たしてどんな花でしょうか。これまで知事がまかれた種の多くは、五輪会場、築地市場移転問題など都政混乱の火種になっただけで、花が咲いたわけではありません。
 ご自身でまかれた種がどのような状態になっても、それは全て知事の責任です。結果は真摯に反省をし、これからの二年間、パフォーマンスではなく、地に足のついた実効性のある都政運営に努めてもらいたいと思います。そのことをお願いして私の質問を終わります。

※読みやすさを重視し、質問と回答が一対一となるように再構成しております。
実際の質問の様子は都議会WEBサイトにて「本会議の会議録」をご覧ください。

https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2018-3/03.html