新型コロナウイルス感染症対策特別委員会③

本日、3回目となる「新型コロナウイルス感染症対策特別委員会」が開催されました。
予算特別委員会以外で広い第15委員会室を使用することが稀で、また理事者のすべての席にアクリル板が設置されているという状況もあって、議事の進行に関しまして課題が残るものとなりましたが、事務方と次回に向けての改善を進めているところです。

さて、前回1日の委員会では総務局、福祉保健局、産業労働局の三つの新型コロナ関連所管局に対して、資料の要求が行われました。

前回9/1の委員会の様子
【写真は前回9/1の特別委員会から】

今回の委員会は各局による資料の説明から始まりました。
理事者によって各委員に開示されました資料は下記の通りになります。

総務局

  • 酒類提供店舗への休業要請について、お酒を止めようと判断するに至った科学的客観的なエビデンスや東京都内部での検討結果が分かる資料
  • 緊急事態措置を解除しても良いという判断に至った東京都内部での検討経過が分かる資料
  • 特措法に基づく個別要請命令を発した件数、及び過料事件通知を行った件数
  • 時短要請に関する飲食店等の状況調査の結果

福祉保健局

  • 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議における東京 ICDC に係る報告事項について
  • 日本財団災害危機サポートセンターの活用に係る経緯
  • 東京都自宅療養者フォローアップセンターにおける健康観察者数パルスオキシメーター対応人数
  • 自宅療養中の死亡者数の推移
  • 2021年1月以降の月別施設種別のクラスター発生件数
  • 東京都自宅療養者フォローアップセンターの健康観察者数新規受付者数の推移
  • 島しょ地域の町村別に月別の新規感染者の発生数と療養先の件数
  • 都の宿泊療養施設看護師の人件費単価、ワクチン接種会場の人件費等
  • 都が設置した抗体カクテル製剤の投与場所及び登用実績
  • 地域における自宅療養者等に対する医療支援強化事業に参加している地区医師会の状況

産業労働局

  • 令和3年9月1日時点の感染拡大防止協力金の申請件数、支給件数及び支給金額(期別)
  • 令和3年9月1日現在時点の感染拡大防止協力金に係る事務費の使途明細及び金額(契約先別)

これら提出された資料もとに、各会派が質疑を行い、わが会派からは、同期の 川松真一朗 副委員長とほっち易隆 委員が登壇しました。

ほっち委員は

  • 子供の感染防止対策、ワクチン接種の促進
  • 感染拡大防止協力金の先渡しの継続実施について
  • 月次支援給付金の周知について
  • 中小企業の事業継続・安定化に向けたきめ細やかな支援の実
  • 人流抑制に向けた都の取組について
  • 都内主な繁華街における時短等の要請の順守状況・都の対応について
  • 要請に応じていない店舗に対する都の対応について
  • 4/25より酒類提供禁止を決めた際の庁内の検討経緯、決定までのプロセス、その根拠について
  • 都のワクチン広域調整について都はどのように支援を行うか
  • 都の大規模接種会場における優先接種対象の考え方について
  • 渋谷での若者への接種、モデル事業の意義と課題について
  • 酸素医療提供ステーションの利用状況と地域バランスについて
  • 抗体カクテル療法の実施について
  • 自宅療養者の医療支援に関し、オンライン診療システムを使った遠隔診療の拡大について

等について質疑を行いました。

1年以上にわたり飲食店に対して断続的に行われている時短営業や酒類販売自粛の要請については現場の経営者から悲鳴のような声が会派にも毎日のように届けられているところです。

質疑の中で、ほっち委員は「厳しい措置を長期にわたり事業者に課すことには限界があり、事業者が希望を持って取り組めるような「出口」を示すことが重要ではないか」と指摘しましたが、総務局長はこれに答えて「これまで酒類の提供の自粛や時短の要請など長期にわたり大変なご負担をおかけしており、安全状況等が改善した際の出口の戦略をお示しすることは重要」との認識を示し、現在飲食店に対し行っている第三者認証制度である「徹底点検東京サポートプロジェクト」の点検済み店舗を対象に、感染状況や医療提供体制、ワクチン接種の進捗状況を勘案し、国とも調整を行って措置の緩和を検討するとの答弁と答弁しました。

一方、ほっち委員に続いて登壇した川松副委員長は

  • 大規模接種を行う都と住民接種を行う区のワクチン接種調整の可能性について
  • 都の保健所管内の市町村に対する情報提供について
  • コロナ経口治療薬の治験の協力について
  • 病床をいかに増やしていくか、臨時の災害対応医療施設について

など、これまで予算特別委員会や本会議において川松議員が継続的に質疑を行ってきた「医療提供体制」の問題を中心に、関係局長や、梶原・多羅尾両副知事に対して質疑を行いました。緊急事態措置発令や解除などの判断に際し、病床数は重要な判断基準になっています。川松副委員長は病床をいかに確保していくかについて10万床と言われる、すである都内の病床から確保するのは限界があるので、この10万床の「外」に臨時の災害対応医療施設をつくるべきと主張を行っています。

また、23区と違い東京都が直接保健所を管轄しているため、多摩地域の市町村が自宅療養者数を把握できずこれまで食料配送などについてきめ細やかな支援が出来なかった問題についての質問では、療養者の健康管理を充実させる目的であれば、個人情報に留意した上での情報提供は可能という判断を引き出しました。

(自民党両議員の質疑の詳細や他会派の質疑につきましてはこちらから動画をご覧ください。)

前回と今回の委員会は、特別委員会をスタートするにあたってこれまでの取組をすべておさらいする形で進められました。今後特別委員会は、コロナ対策に関する国の方針の決定や、新しい東京都の動きに応じて随時開催される予定です。政策について踏み込んだ調査を行うことが出来るのが特別委員会の意義ですので、しっかりと運営をしてまいります。