平成27年 環境・建設委員会(3月15日)

環境・建設委員会

平成二十八年三月十五日(火曜日)
第九委員会室

平成28年3月15日の環境・建設委員会にて、花と緑の東京募金に関連した施策の推進、活用する事業について質問しました。


■花と緑の東京募金について

1.これまでの緑の東京募金についての総括

〇菅野委員

 私からは、今回、議案としても条例改正の提案がなされておりますけれども、緑の東京募金に関連してちょっとお聞きしたいと思います。
 先日の予算特別委員会でも、私は、この緑の東京募金を取り上げまして、その際、舛添知事の方からは、この東京募金を今回、花と緑の東京募金という新しい募金に再構築をして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会に向け、この東京を花で彩るということで、花と緑あふれる都市東京を目指すとの答弁をいただきました。
 そこで、きょうはこの新しい募金について、さらに質疑を行っていきたいと思います。
 まず初めに、都は、これまでの緑の東京募金をどのように総括をしているのか伺いたいと思います。

○須藤緑施策推進担当部長

 都はこれまで、都民、事業者のご協力のもと、平成十九年十月から平成二十八年二月までの約八年間で九億三千万円を超える募金を集めさせていただきました。
 この募金を活用し、海の森の植樹や街路樹の倍増を今年度中に完了するとともに、公立小中学校八十二校の校庭芝生化や、森林百六十六ヘクタールでの花粉の少ない杉への植えかえを進めるなど、都内の緑化を着実に進めることができたと考えております。
 緑の東京募金は、緑化という共感しやすいテーマのもと、募金者が使い道を選択できる仕組みとしたことで、都民、事業者の幅広い支持を集め、九億円を超える募金に結実したと考えており、緑を植え、育てる機運の醸成に大きく寄与したと認識をしております。

〇菅野委員

 この緑の東京募金はこの八年間で九億三千万円ですか、九億円を超える募金を集めたということです。
 こうした募金に対する都民、そして企業、そうした多くの皆様の善意には本当に心から敬意を表したいと思いますけれども、この結果を聞きまして、緑を大切にして身近な緑をふやしたいという、やはりそういうふうに考える都民の気持ちが強いということを改めて実感をいたしました。

2.花と緑の東京募金を活用した緑施策の推進について

〇菅野委員

 そこで、今回、緑の東京募金を花と緑の東京募金に衣がえすることになるわけですが、新たな募金においても、引き続きこの緑を大切にしたいという都民の思いをこれまで以上に受けとめるべきであると思います。
 とりわけ、都内には、森林や里山等の貴重な自然があり、今後は緑をふやす取り組みだけではなく、これらを守る視点も加え、緑を大切にする共感の輪を一層広げることが重要だと考えます。
 都は、こうした視点を踏まえて、花と緑の東京募金を活用して、どのような緑施策を推進していくのかをお伺いしたいと思います。

○須藤緑施策推進担当部長

 多摩地域には豊かな森林や里山などが残されており、こうした東京の貴重な自然を将来の世代に引き継ぐことは重要な課題と認識をしております。
 このような認識のもと、都は、企業、ボランティア団体など幅広い都民の参画を得ながら、森林や里山で下草刈りや枝打ち作業などを実施し、良好な自然環境の保全を進めているところでございます。
 こうした緑地保全活動などを新たに募金の対象とし、保全活動を担う人材の育成に役立てながら、自然環境を守る機運の醸成を一層図ってまいります。
 今後、これまでの目に見える緑をふやす取り組みに加え、緑を守る取り組みにもその活用を広げ、緑施策を多角的に推進する募金として位置づけていきたいと考えております。

〇菅野委員

 都民とともに、こうした森林や里山などを守ることは、次世代に貴重な自然を引き継ぐことにつながるだけではなくて、国内外からの来訪者にも魅力ある里山などを訪れていただいて、多様な顔を持つ東京を知ってもらう契機になると思います。
 私も昔、昔というか、港区で区民の森というのをあきる野市にやっているんですが、そうした森の間伐体験なんかで何度か多摩の森へ入らせていただいて、あと、都議会の森林議連の方でも見学させていただいたりして、実際にそういった場に行って、森、森林、そして、そういった間伐作業、そうしたものに触れることで、本当に新たな魅力というか、自分が環境を守るということもそうですけれども、そうした緑に触れることで新たな東京の魅力に触れることができる本当にいい機会じゃないかなと思っておりますので、ぜひこういったものを活用いただければと思います。

3.花と緑の東京募金を活用していく事業について

〇菅野委員

 そして、花と緑の東京募金は、こうした緑を守る取り組みについても着実に推し進める原動力になることを今申し上げたように期待しているわけですが、それでは新たに開始する花と緑の東京募金、これについてはどのような事業に活用していきたいのか、お考えを伺いたいと思います。

○須藤緑施策推進担当部長

 都はこれまで、海の森の植樹、街路樹の倍増、校庭芝生化、花粉の少ない森づくりの四つの事業に、緑の東京募金を活用してまいりました。
 このうち、海の森の植樹と街路樹の倍増は、今年度中に終了することから、募金の目的や対象となる事業を見直すことといたしました。
 新たな募金では、これまでの校庭芝生化と花粉の少ない森づくりの二つのメニューに花を生かした緑化と緑を守る人材育成を加え、四つの募金メニューを用意する予定でございます。
 引き続き、都民が使い道を選択して募金できる仕組みを用いることで、都民の理解と共感を得る工夫をしながら募金を効果的に活用してまいります。

〇菅野委員

 民間団体の調査によると、募金者が寄附先を選ぶ際には、それで重視している点として、寄附金の使い方が明確で、有効に使ってもらえるかどうかということがやはり一番判断するポイントになるということで上位でありました。
 新たな募金でも、都民が使い道を選択して募金をできるということで、ぜひ効果的な運営を図っていただきたいと思います。

4.花を生かした緑化と緑を守る人材育成について

〇菅野委員

 そこで、花と緑の東京募金では、新しい募金メニューとして花を生かした緑化と緑を守る人材育成を加えるとのことですけれども、具体的にどのような事業に活用していくのか伺いたいと思います。

○須藤緑施策推進担当部長

 花を生かした緑化では、その第一弾として、お台場海浜公園において、桜やサルスベリなどを植樹する事業への活用を検討してまいります。
 また、緑を守る人材育成では、大学生や企業による里山保全活動事業への活用を検討してまいります。
 こうした花を生かした緑化や緑を守る人材育成といった事業は、さまざまな時期や場所で実施されるものと考えております。
 このため、今後、各局と連携して、順次対象事業を追加し、花と緑の東京募金の内容を一層充実させるとともに、それぞれの事業の進捗状況に応じて柔軟に募金を活用しながら、花と緑あふれる都市東京の実現を目指してまいります。

〇菅野委員

 お台場海浜公園には、かなり以前から桜を植えてほしいなという話は地元の方からもご要望があったというふうに私も聞いています。
 来年度からは、その桜に加えてサルスベリなどの植樹事業が開始されるということをこの間も伺いましたけれども、大変意義深いことであります。こうした取り組みに、この花と緑の東京募金が活用されれば、都民、住民との連携の輪が一層広がって、臨海地域のさらなる魅力の向上につながると期待をしています。
 花と緑の東京募金を成功させるためには、都民を初めとするさまざまな主体の理解と協力が不可欠であります。
 住民、民間事業者、区市町村からの提案をよく聞いていただいて、ぜひ今まで以上に柔軟にそれに対応して、全庁挙げて取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。


【都議会リポート】

https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/environmental-construction/2016-03.html