令和元年9月10日(火)、かんの弘一(港区選出 都議会議員)は、東京都議会 令和元年 第三回東京都議会定例会にて一般質問を行いました。

■羽田空港の機能強化について

○菅野

 初めに、羽田空港の機能強化について伺います。
 先月八日、国土交通大臣から、来年三月二十九日より、新飛行ルートの運用を開始し、羽田空港において国際線を年間三万九千回増便することが発表されました。
 新ルートのうち、着陸用については、南風が吹く日の午後三時から七時のうち三時間の間に活用され、東京都内では、新宿区から渋谷区、港区、品川区方面に向けて、上空を降下していくものです。
 この新ルートの導入により、国土交通省では、羽田の旅客数が年間約七百万人ふえると見込んでおり、首都圏の国際競争力強化や訪日外国人旅行者の受け入れ拡大等につながるものとしています。
 我が党は、東京の国際競争力の強化、東京二〇二〇大会の円滑な実施のためにも、羽田空港の機能強化については必要不可欠だと思っております。
 一方で、利便性の追求は、地域住民の暮らしに十分配慮することが大前提になります。国土交通省が開催した説明会などでは、住宅街やオフィス街を飛行することによる騒音影響が心配だ、落下物対策をしっかり行ってほしい、今回の提案についてもっと多くの人に周知すべきだ、決定された方策の内容については引き続き情報提供をしてほしいといったさまざまな声が上がっています。
 また、空港周辺を初め、既存の飛行ルート下にある地域の皆さんについては、長い間航空機騒音などに悩まされてきた状況にあり、引き続き、十分配慮していく必要があります。
 国土交通省も住民への説明会の開催や情報発信拠点を設置して周知を行ったり、低騒音機の導入促進や防音工事に対する助成、航空機のチェック体制の強化、落下物防止対策の徹底など、さまざまな対策を実施してきています。
 さらに、運用決定に際しては、例えば騒音対策について、地上に近い高度での飛行を減らすため、着陸する際の降下角度を当初案の三度から三・五度に引き上げるなど、操縦士に、より高い技術が求められるものもありますが、新たな対策の実施も示しています。
 このように、国土交通省も適宜対策を実施しているところでありますが、新飛行ルート下や、空港周辺の皆さんの騒音や落下物に対する懸念や不安がまだ消えていません。今後とも粘り強く地元の不安を払拭していくため、対策に万全を期す必要があります。
 このため、騒音、安全対策の実施の徹底を引き続き図るとともに、住民に対し、丁寧な説明を続け、飛行開始後も円滑に運用が進められるよう、国に一層要請すべきものと考えます。東京都の見解を求めます。

○佐藤伸朗東京都技監

 菅野弘一議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の機能強化についてでございますが、国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化は極めて重要でございます。
 先月の協議会において、都は国に対し、必要な手続を着実に進めることを要望するとともに、情報提供や騒音、安全対策などに関する関係区市の意見を伝え、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や対策の着実な実施を要請いたしました。
 これを踏まえ、国は来年三月からの国際線増便を決定し、飛行検査を始めるなど、運用開始に向けた取り組みを進めるとともに、この秋から各所でオープンハウス型説明会を開催するなど、引き続き丁寧に対応していくこととしております。
 都といたしましては、国と協力し、羽田空港の機能強化実現に向けまして、積極的に取り組んでまいります。

■環状四号線整備とまちづくりについて

○菅野

 次に、環状四号線整備とまちづくりについて伺います。
 品川駅周辺は、二〇二〇年の新駅暫定開業を控え、国際交流拠点として、大きく変貌しようとしています。その中で、環状第四号線は、羽田、臨海部、六本木方面とのアクセスを向上させるなど、広域ネットワークを形成するとともに、橋梁形式を採用することで、地区の東西を連結するなど、品川駅周辺の拠点機能の強化に資する重要な路線として早期の整備が求められています。
 一方で、地元には、古くからの商店会や高低差のあるまち並みといった特色があり、よりよい環境を創出するためには、道路整備だけではなく、まちづくりも一体となって進めることが重要であります。さらに、沿道の地域の方々も、環四整備に合わせたまちづくり勉強会を開催するなど、まちづくりへの機運も高まってきています。
 都は、本年七月に、環状第四号線の港南─高輪区間の整備に着手したと聞いていますが、こうした沿道まちづくりの機運を捉え、都もかかわりを強化すべきであります。
 今後、都は、環状第四号線高輪区間の整備と沿道まちづくりにどのようにかかわり、取り組んでいくのかを伺います。

○佐藤伸朗東京都技監

 環状第四号線高輪区間の整備についてでございます。
 環状第四号線は、広域道路ネットワークを形成するとともに、国際交流拠点品川の実現に不可欠な路線であり、本年七月に港南及び高輪区間の事業認可を取得したところでございます。
 高輪区間では、まちづくりガイドラインにおいて、周囲地域との連続性に配慮した沿道エリアを形成することとしており、地元でも、まちづくりの検討が行われております。こうした動きも踏まえまして、地元区と連携して、都有地を活用した沿道まちづくりと環状第四号線の整備を検討しており、リニア中央新幹線の開通も見据え、着実に取り組んでまいります。

■お台場海浜公園の水質問題について

○菅野

 次に、お台場海浜公園の水質改善について伺います。
 八月に開催されたマラソンスイミングやトライアスロンのテストイベントでは、お台場海浜公園の水質について、多くのマスコミなどから取り上げられました。そのことから、東京都は組織委員会と連携して、お台場海浜公園の水質改善対策として、三重の水中スクリーンを設置するほか、下水道における対策など、さらなる水質改善対策についても、全庁を挙げて取り組んでいく予定と聞いています。
 東京の下水道は汚水と雨水を一本の下水道管で流すことで早期に整備ができる、合流式の下水道を採用しており、一九六四年の前回大会では、大会を契機とした下水道の整備により、河川など水環境の改善に大きく貢献しています。これもいわばレガシーの一つであります。
 一方、合流式下水道は、強い雨が降ると、汚水まじりの雨水を放流せざるを得ないという課題があり、下水道局では現在、合流式下水道の改善に向けた取り組みを進めています。
 しかし、さきのテストイベントの報道の一部には、お台場の水質悪化の原因は、雨の日の下水を合流式水再生センターから何の処理もせずに放流していることであるかのような記事も多くあり、来年の大会開催を不安視する意見も見られました。
 そこで、都も今回、水質改善へのさまざまな対策や、さらなる検討を深めると発表した今、そうした不安を払拭する意味でも、改めて、雨の日の下水が水再生センターでどのように処理されているのかについて、また、雨の日における放流水質改善について、東京二〇二〇大会に向けた今後の取り組みを伺います。

○和賀井克夫下水道局長

 雨天時におけます水再生センターの水処理と、東京二〇二〇大会に向けた放流水質改善の取り組みについてでございますが、水再生センターでは、晴天時の処理能力を超える下水が流入した場合、まずは降雨初期の特に汚れた下水を貯留する仕組みとなっております。
 さらに、貯留量を超えて流入する下水につきましては、汚濁物の沈殿処理と大腸菌等の消毒処理を行い、川や海に放流しております。
 下水道局では、東京二〇二〇大会に向けて、雨天時の放流水質を改善するため、対策のスピードアップを図り、芝浦水再生センター等で累計百四十万立方メートルの貯留施設を整備するとともに、六カ所の水再生センターで汚濁物を効率的に除去できる高速ろ過施設を整備いたします。
 これらの対策に加え、新たにお台場周辺海域の放流口にごみ等の流出を防ぐスクリーンネットを増設いたします。こうした取り組みを着実に進め、良好な水環境の創出に貢献をしてまいります。

■東京二〇二〇大会における都営バスの輸送体制について

○菅野

 次に、東京二〇二〇大会における都営バスの輸送体制について伺います。
 大会期間中の観客輸送については、鉄道を中心とした既設の公共交通インフラの活用が基本とされていますが、駅から離れた競技会場への観客輸送は、シャトルバスの運行など、平常時とは異なる特別な対応が求められます。
 その一方で、大会期間中であっても、路線バスには、住民の足として日々の生活を支えていくという重要な使命があります。私の地元である港区にも、青山やお台場などの競技会場に近い地域が含まれておりますが、来年の東京二〇二〇大会では、長期間、広範囲にわたる交通規制が実施される見込みであり、都民生活に身近な路線バスの運行への影響が懸念されます。
 そこで、大会期間中の都営バスの運行について、駅から離れた会場への観客輸送に加え、通常の路線バスの運行にも確実に対応する必要があると考えますが、見解を伺います。

○土渕裕交通局長

 大会期間中の都営バスの対応についてでございますが、都営バスでは、駅から離れた海の森水上競技場までのシャトルバスを運行する予定であり、その準備を進めております。
 先般行われましたテストイベントでは、効率的な乗りおりや、車椅子をご利用のお客様の誘導案内などについて検証を実施いたしました。今後、乗務員の採用時期や、新車の納入を前倒すことなどによりまして、必要な人員や車両を確保してまいります。
 こうした観客輸送に的確に対応するとともに、都内の通常の路線バスにつきましても、道路交通の状況に応じて適切に運行することによりまして、都民生活や東京の都市活動を支え、大会の成功に貢献してまいります。

■日の出ふ頭の活性化について

○菅野

 次に、舟運の拠点である日の出ふ頭の活性化について伺います。
 日の出ふ頭は、多くの水上バスやレストラン船の発着地となっており、年間約百五十万人が利用する東京で最大の舟運の拠点であります。
 しかし、船客待合所が単なる乗船客の通過点となっているほか、JR浜松町駅から徒歩で行ける距離であるにもかかわらず、一般の来訪者が少ないというのが現状であり、にぎわいが不足しています。
 一方で、日の出ふ頭の周辺では、現在、大規模な再開発事業が進行中であり、再開発に関連して先日オープンした日の出ふ頭小型船ターミナルHi-NODEを初めとして、今後、新たなホテルや商業施設の開業が予定されているなど、まちが大きく変わりつつあります。
 舟運の拠点である日の出ふ頭をさらに活性化させるために、再開発が進む周辺の地域と効果的に連携し、多くの人々をふ頭に呼び込むようにすることが必要であると考えますが、今後の取り組みについて都の所見を伺います。

○古谷ひろみ港湾局長

 日の出ふ頭の活性化についてでございますが、現在、浜松町駅周辺地域では、複数の大規模な再開発事業が進行しておりますことから、ふ頭の活性化に向けては、これらの事業と緊密に連携した環境整備を進めることが重要でございます。
 このため、都は先月、隣接する芝浦一丁目の再開発事業者と協力いたしまして、食事やイベントも楽しめる新たな小型船ターミナルを開業させるとともに、日の出ふ頭と竹芝ふ頭を結ぶ人道橋を再整備し、竹芝地区からの歩行者アクセスの改善を図ってまいりました。
 都は引き続き、大きく変貌しつつある周辺地域と一体となってにぎわいを創出することにより、舟運の拠点である日の出ふ頭への人の流れを盛んにし、魅力エリアへとしてまいります。

■中小企業の海外展開への支援について

○菅野

 次に、中小企業の海外展開への支援について伺います。
 少子化などにより国内市場が縮小する中、東京二〇二〇大会が終了した後も、都内中小企業が持続的に発展するためには、成長を続ける東南アジア市場の需要を取り込むことが重要です。
 私はこうした認識から、これまで本会議の中で、中小企業の海外展開の必要性を訴え、施策に結びつけてまいりました。例えば、現地での事業拡大を目的とした生産委託や業務提携などに向け、都内中小企業と現地企業をマッチングする事業では、海外でのメンテナンス拠点を求める都内中小企業に現地企業を紹介し、現地でのサービス体制の充実を図ることができたなどの成果を上げていると聞いています。
 こうした中、専門商社などを活用した国内にいながらの販路開拓だけではなく、取引先との商談やアフターサービスをより一層タイムリーに行うため、海外現地に事業所を設置して、活発な事業を展開する中小企業もふえています。
 これらの企業では、現地での取引の活性化による事業拡大が進む一方で、人材など経営資源が限られる中で、現地に派遣する社員の確保に苦慮していることも多いと聞いており、現地での有能な人材の確保も大きな課題となっています。
 中小企業が、海外現地においてビジネスを成功させるため、都としても、さらなる支援が必要と考えますが、見解を伺います。

○松村明典産業労働局長

 中小企業の海外展開への支援についてですが、都内の中小企業が、成長を続ける東南アジアにおいて事業を拡大するためには、現地での販売やサービスの提供を円滑に進めることが重要でございます。
 このため、中小企業振興公社において、海外への販路開拓を目指す中小企業に対し、現地の実情に応じた一連の販売プロセスをハンズオンで支援するほか、タイ事務所等では、各国の法律や商習慣に加え、現地社員の労務に関する相談も実施しております。
 また、中小企業が海外事業所の設置を目指す場合には、計画策定から現地検証、事業所設置の実行までをトータルでサポートしております。
 今後とも、中小企業が海外でのビジネスを継続的に展開できるよう、現地人材の活用も含め支援を行ってまいります。

■観光施策について

○菅野

 最後に、観光施策について伺います。
 ラグビーワールドカップ開催を間近に控え、また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会まで一年を切った今、都内各地の観光振興の取り組みを一層強化し、大会後の持続的な観光振興につなげていくことが重要です。
 昨年は、訪都外国人観光客が過去最高の一千四百二十四万人となるなど、国内外から多くの観光客が東京を訪れていますが、都内各地域に効果的に誘客活動を行うためにも、各地域の観光振興をリードする観光協会の役割がますます大きくなっています。
 私の地元でも、水辺や夜景を楽しむ多くの外国人の姿とともに、地域で行われるさまざまなイベントに参加をして楽しむ観光客の姿も見られるようになりました。
 こうしたまちのにぎわいをいっときのものとして終わらせるのではなくて、持続させるために、観光協会へのさらなる支援が求められています。
 東京都はこれまでも、地域の観光協会に対し、さまざまな支援を行ってきていますが、観光協会と地域の関係者との連携を深めることで、イベントの情報発信や観光客のニーズに合わせた共同した取り組みを一層推し進めて、地域全体の観光を盛り上げていくことが必要と考えます。都の見解を伺い、以上で私の質問を終わります。

○松村明典産業労働局長

 地域の観光協会への支援についてですが、東京二〇二〇大会後も、地域が観光振興を持続的に展開する上で、観光協会が情報収集及び発信力を高めるとともに、地域全体での誘客に取り組むことが効果的でございます。
 このため、都は新たに、観光協会が地域の情報を集約した多言語での観光ガイドアプリを開発し、旅行者の周遊を促す取り組みなどを支援しているところでございます。
 また、観光協会が地元の商店街や町会などと連携し、時間帯やエリア別の旅行者の行動等を調査して事業を企画する取り組みや、二〇二〇年に向けて開催する観光イベントに対する支援を開始いたしました。
 今後も、観光協会と地域の多様な主体との連携を促進し、持続的な観光振興の実現につなげてまいります。

※読みやすさを重視し、質問と回答が一対一となるように再構成しております。
実際の質問の様子は都議会WEBサイトにて「本会議の会議録」をご覧ください。

https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2019-3/03.html#04