平成28年 予算特別委員会
3月8日 総括質疑

平成28年3月8日、予算特別委員会にて、都市間競争を勝ち抜く東京の都市づくりを進める立場で、老朽マンションの再生、緑の東京募金、海上公園の魅力度アップ、中小企業の成長に向けた取り組みと起業・創業支援、映画イベントによる観光振興、国際会議の誘致と開催支援、ボランティア活動に関する取り組み、下水道管の再構築について質問いたしました。


■都市間競争を勝ち抜く東京の都市づくり

1.海外から投資を呼び込む都市づくり

〇菅野委員

 それでは、初めに、私は、都市間競争を勝ち抜く東京の都市づくりを進める立場で、質問したいと思います。
 先月、都は、国土交通省とともに、都市の魅力を発信し、インバウンド事業の取り組みや都市開発の海外展開につなげるため、シティー・フューチャー・ギャラリー構想の検討を開始しました。
 こうしたギャラリーは、アジアの成長を牽引する大都市といわれる上海やシンガポール、そしてクアラルンプールなどには既に常設されており、この東京においても、都市の成り立ちや都市開発の変遷、将来の計画などを紹介する情報発信拠点になることが期待をされています。
 これは、海外企業の立地促進や国際会議の誘致、観光客の増加につながるものであり、ぜひ、都として、前向きに検討を進めていただきたいと思います。
 また、東京が、激しさを増す都市間競争を勝ち抜くためにも、シティー・フューチャー・ギャラリーのような取り組みとともに、都市空間そのものの質を高める取り組みが不可欠だと思います。
 最先端の機能を備えた快適なオフィスビルの供給や、交通結節点におけるさらなる利便性の向上などを進め、世界から、人、物、金、情報が集まる国際ビジネス環境を創出しなければならないと考えます。
 そこで、海外から投資を呼び込む都市づくりについて伺います。

○安井東京都技監

 グローバル化が進展し、都市間競争が激化する中、東京の国際競争力を高めていくためには、外国人にとっても、企業活動だけではなく日常生活の面でも快適な環境が形成されるよう、都市づくりを積極的に進めていく必要がございます。
 都はこれまでも、高度に発達した公共交通ネットワークの結節点などにおきまして、都市再生を進め、ビジネス拠点の形成を図ってまいりました。
 これにより、例えば六本木から虎ノ門にかけましては、質の高いオフィスの供給だけではなく、外国人対応のサービスアパートメントの建設、国際的なホテルや病院の更新、都市に潤いと安らぎを与える緑のネットワークも形成されてございます。
 今後も、このような都市づくりを通じまして、世界水準のビジネス環境や生活環境を整備し、海外から投資を呼び込み、東京の経済活力を高めてまいります。

2.経済成長と生活の質を両立させるための都市開発

〇菅野委員

 ここで大切なのは、東京は、世界から投資を呼び込み、経済成長を促す都市づくりを進めると同時に、ここに住み、働く都民の生活の質を高める都市づくりも同時に進めなければならないということであります。
 外環や都市計画道路など、インフラ整備への投資を減らし、福祉、暮らしのための予算を拡充すべきという意見もあります。
 しかし、人口減少や高齢化のさらなる進展が見込まれる中、東京が快適でゆとりある暮らしにもつながる都市づくりを進めなければ、東京や日本の経済的な地位だけでなく、福祉の確保はもちろんのこと、都民の豊かな生活も危うくなるのではないでしょうか。
 経済成長と生活の質を両立させるためには、インフラ整備や都市開発などをしっかりと進めることが重要と考えますが、ここで、知事の見解を伺いたいと思います。

○舛添知事

 私も菅野弘一委員のご意見に賛成でございます。
 何か、インフラ整備とか公共投資が無駄だというような意見がありますけれども、例えば、中央環状線できましたね。新宿から羽田まで四十分かかったのが十九分で行くわけですよ。半分で行くわけです。それで何が起こっているかというと、これで渋滞なくなりますから、環境の汚染もなくなる、空気もよくなる。四十分を二十分とすると、二十分間あいた時間でゆとりのある生活ができるようになるじゃないですか。ですから、そういう視点を失わないようにしないと、世界一の都市にはならないと思っております。
 そういう意味で、今申し上げました外環などのインフラ、それから羽田空港の機能強化、これも必要でありますし、都市再生を通じた特色ある拠点を形成して、引き続き国際競争力を高めて経済を活性化していく。それから、もう今は世界中からお客さんがお見えになりますけれども、パリの市長もそうですけれども、みんな、この渋滞のないまちというのはすごいじゃないかと驚いておられるわけです。それから公共交通、秒刻みでぴしっと時間どおり来る、これもすごいねと。
 ですから、こういうことが東京の魅力アップになりますし、それから、何度も申しますけれども、舟運、この水のすばらしさ、こういうことも我々の魅力ある都市空間を築いているわけでありまして、それから、やはり安全・安心ということでありますから、木密地域、これをほったらかしておくわけにはいかないでしょう、皆さん。ですから、これをきちっと不燃化して、そして緊急輸送道路の沿道の耐震化をやらないと、直下型が起こったときに大変なんです。こういう意味で、東京の都民の生命や財産を守って首都機能を確保する、それが東京都知事、そして、都議会の仕事だと思っております。
 二〇二〇年大会を跳躍台としまして、さらにその後、二十年、三十年後を目指した都市づくりを積極的に展開して、もう本当に、今みんなが、すごいね東京といってくれ始めていますので、さらに世界中が驚くような成長都市、そしてゆとりと経済と環境、こういうものをしっかり備えた世界一の都市にするために全力を挙げたいと思っております。

〇菅野委員

 大変、知事から力強いお言葉をいただいて、まさに国際競争力を高め、そして経済を活性化させていく中で、しっかりと都民が魅力を感じる、全ての人が本当に豊かさを感じられるような、そうした都市空間を創出していただきたいと思います。

3.安全・安心の確保に向けた取り組み

〇菅野委員

 また、施政方針でも述べられていたとおり、やはり安全・安心の確保というのが何といっても東京発展の大前提であるということも、今お話の中にございました。
 東京には、ビジネス拠点や行政の中枢機能が集積しています。発災時にも業務が継続できる環境の整備というのは、これはもう何よりも不可欠だと思います。
 また、近年では、東京を訪れる観光客も大幅に増加しており、さらなる帰宅困難者対策も重要だと思います。
 さらに、燃えない、倒れない市街地につくりかえていくこと、そして、緊急物資の輸送ルートの確保、これも大事です。
 そこで、首都直下地震などが発生しても、東京が首都機能を維持し、日本経済を牽引していくため、安全・安心の確保に向けた、さらなる具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。

○安井東京都技監

 ただいまのやりとりにもございましたように、ゆとりと豊かさの根底には、やっぱり安全・安心がなくてはならないと考えてございます。
 このため、切迫する首都直下地震などの備えとして、例えば、木密地域では、不燃化特区や特定整備路線の取り組みに加えまして、来年度から延焼遮断帯内側の生活道路を計画的に拡幅しながら、沿道におけます不燃建てかえを促進してまいります。
 また、震災時におけます緊急輸送道路の機能確保を加速させるため、耐震診断後の建物所有者に対しまして改修計画の作成を支援する制度を創設し、診断結果を踏まえた改修へと結びつけてまいります。
 今般、こうした取り組みに必要な予算案を提案してございまして、あわせて民間開発におきまして、帰宅困難者の一時滞在施設や自立型エネルギーの整備を促進するなど、官民が連携いたしまして、首都直下地震などの備えを充実強化してまいります。

〇菅野委員

 ぜひ都市開発、そしてさまざまなインフラ整備、そして何よりも安全・安心の確保、それを進めた上で、シティー・フューチャー・ギャラリーのような取り組みも通じて、国内外にそれらを広く発信することで、世界からの投資を呼び込み、新たな富を生み出し、福祉や教育など都民生活の質の向上に還元されるものと期待をしています。ぜひ取り組みを進めていただきたく、よろしくお願いいたします。

■老朽マンションの再生の促進

4.先行モデル事業の取り組み状況について

〇菅野委員

 次に、老朽マンションの再生の促進について伺いたいと思います。
 今後、老朽化したマンションの急増が見込まれており、建てかえや改修などによりストックの再生を促進していくことが重要であります。
 都は先月、良質なマンションストックの形成促進計画の案を公表し、施策展開の柱の一つとして、老朽マンションなどの再生の促進を打ち出しています。特に、敷地条件や建築規制等により単独での建てかえが困難な老朽マンションが多く存在している状況から、まちづくりと連携して、建てかえなどの促進を図る必要性について触れ、仮称マンション再生まちづくり制度を創設するとしています。
 この制度は、老朽化したマンションが一定程度集積しており、防災性や活力の低下などが見られる地域を対象に、都と区市が連携し、まちづくりと一体となってマンションの再生を促進するものとのことであります。
 都は、制度構築に向け、今年度より先行モデル事業を実施していると聞いていますが、まず、この先行モデル事業の取り組み状況について伺いたいと思います。

○安井東京都技監

 区市からの提案を受けまして、昨年六月、品川区の大崎西口駅前、杉並区の方南町駅周辺、多摩市の諏訪・永山の三地区を選定いたしまして、モデル事業に着手したところでございます。
 例えば、方南町駅周辺地区は、特定緊急輸送道路に指定されている環七通り沿道のマンションの再生と駅周辺のまちづくりとの連携による、災害に強く、魅力ある生活拠点の形成を目指す提案となってございます。
 現在、区が主体となって、地区の現況や特性を踏まえたマンション再生手法の検討を行っておりますけれども、事業性の確保に向けて、都も加わり、都市開発諸制度の活用などを含めた検討を進めております。
 他の地区につきましても、それぞれ地域特性やマンションの状況に応じた課題がございまして、都は定期的に意見交換を行うなど、区市と連携して調査検討を進めてございます。

〇菅野委員

 いろいろ難しい課題も出てきていることが今の答弁からありましたけれども、これもやはりモデル事業を通して、その具体例というか、それでしっかりと地域やマンションを対象に検証している成果だとは思います。
 ぜひ、この先行モデル事業は来年度まででありますけれども、今後の制度の構築も含め、来年度の取り組みについて、今伺っておきたいと思います。

○安井東京都技監

 三地区のモデル事業につきましては、来年度、引き続き区市とともに各地区が目指すべき将来像やその実現のために実施する施策につきまして、地元住民等の意見も聞きながら検討を進め、おのおののまちづくり計画を取りまとめることを目指してまいります。
 あわせて、モデル事業を通じて得られた成果や区市からの意見などを踏まえまして、新たに創設する制度の地区採択要件や支援策などを検討いたしまして、仮称のマンション再生まちづくり制度を創設いたします。

2.区市の取り組みを後押しする

〇菅野委員

 地域に身近なまちの課題というのは、やはり区市が一番把握しているんだと思いますけれども、まちづくりの困難な課題の多くは、区市だけでは当然解決できるものではないと思います。
 ぜひ、マンション再生まちづくり制度を実効性ある制度とするために、都も積極的に関与し、区市の取り組みを後押しすることが重要と考えます。所見を伺いたいと思います。

○安井東京都技監

 今後、モデル事業の結果を踏まえて検討するマンション再生まちづくり制度では、まず区市が主体となって、老朽マンションの建てかえなどを含む再開発などのまちづくりの計画を策定することを想定してございます。
 都は、都市計画や建築規制、再開発事業などを所管する部署が連携いたしまして、実効性のある計画の検討について、ワンストップで相談に応じられる体制を整備するなど、区市が計画策定に取り組みやすい環境づくりに取り組むこととしてございます。
 また、計画の実施段階におきましても、事業を推進するためのノウハウの提供や補助制度の活用などによりまして、区市の取り組みを後押しするなど、都も積極的に関与しながらマンションの再生を図ってまいります。

■緑の東京募金

1.今後の施策の方向性と意義について

〇菅野委員

 それでは、よろしくお願いいたします。
 次に、緑の東京募金について伺いたいと思います。
 都は、平成十九年度に創設した緑の東京募金を活用して、都内の緑化を進めてきました。緑を大切にしたいという都民や企業の皆様の熱い思いが九億円を超える寄附金となり、今年度中に完了する海の森の植樹や街路樹の倍増事業を後押しするなど、募金は東京の緑環境の向上に大きな役割を果たしてきました。
 こうした機運をさらに高め、二〇二〇年東京大会の開催に向け、国内外の来訪者を美しい花でもてなし、緑の潤いや癒やしにあふれた都市を目指していくためには、緑の東京募金を時流に合わせて進化させていくことが重要であるかと思います。
 知事は、施政方針演説で、緑の東京募金条例を改正し、花と緑あふれる都市東京の実現を目指すと表明されましたが、まことに時宜にかなった取り組みであると高く評価しています。
 そこで、新たな募金に花を加える意義や今後の施策の方向性について知事の所見を伺いたいと思います。

○舛添知事

 東京を世界一にしないといけません。その中でいろんなものが欠けている。花もちょっと欠けていると思います。それから光ですね、ライトラップ。こういうものをやりたいと思っています。
 私、若いころ、ドイツ、フランス、それからスイスで仕事をし、生活しましたけれども、バルコニーにきれいに花が飾ってある。それから、大きなベンチのような、中をくりぬいてそこに花が飾ってある。やっぱり旅行者として行っても、ああ、きれいなまちだなというのは花の魅力だというふうに思いますので、そういう意味で、ただ単に緑の東京募金じゃなくて、花をつけ加えようというふうに思っております。
 江戸時代はどうだったかというのは、いつも話をしますけれども、浮世絵をずっと、江戸を勉強するために見てますと、アサガオが見事に咲いてる。これはやっぱり庶民が花をめでたという、こういう江戸の伝統でありますので、このオリンピック・パラリンピック会場周辺、それから人々がにぎわう場所、そういうところで花を生かした緑化事業をやりたいというふうに思っております。
 そして都民も、花と緑をみんなで植えて、育てて、守って、彩ると、こういう運動につなげていって、二〇二〇年のこの歴史的な大会の開催都市にふさわしい、花と緑あふれる都市東京の実現に向けて全力を挙げて取り組みたいと思っております。

〇菅野委員

 確かに、ヨーロッパのドイツやスイスのまちに行きますと、バルコニーにたくさん花があって、やっぱり常に花で彩られるんですけれども、この東京のまちというのは、日本は特に四季がありますから、そういう中で、常に花で都市を彩るための工夫というのはさらに必要になるかと思います。
 春だけが花いっぱいになるんですけれども、後が花壇しかないというのも寂しいですから、ぜひ、その辺も、募金の活用に当たっては、花の維持管理にも十分に配慮して、いつでも花を楽しめるスポットを数多く創出していただきたいと思っております。

■海上公園における魅力的な空間の形成を目指す取り組み

1.海上公園における緑の取り組み

〇菅野委員

 さて、知事は、かねてから舟運を活性化し、東京の観光資源に育てていくと発言されておられますが、水辺空間の魅力向上においても、花や緑を生かす視点が重要かと思います。
 そこで、次に、海上公園における緑の取り組みについて伺います。
 私の地元港区にあるお台場海浜公園は、白い砂浜とレインボーブリッジなどのすばらしい景観や海辺での多彩なイベントの開催により、国内外から年間二百万人を超える人々が訪れる人気観光スポットとして認知されています。
 都は、お台場周辺において、水と緑の演出により景観や歴史的資源などを活用して魅力的な空間の形成を目指していると聞いています。そこで、お台場海浜公園では、この目標に向けて、来年度はどのような取り組みを行うのか、伺いたいと思います。

○武市港湾局長

 お台場海浜公園の観光地としての魅力をさらに向上させるため、来年度は、日本を象徴する桜でございますとか、真夏に咲くサルスベリを植栽いたします。これにより、春には、鳥の島と呼ばれております周辺の島々も含めまして、桜が帯のように広がる風景がお台場一帯に展開されることになります。さらに、東京タワーや都会のビル群を背景とした夜間の景観スポットになるようライトアップにも積極的に取り組んでまいります。

〇菅野委員

 お台場海浜公園が桜の名所になるというのは、新たな東京の魅力ある場所の創出にもなると思います。本当に楽しみだと思います。また、真夏に咲く花、特にオリンピックの開催というのが夏ですので、夏に訪れた方に花がないのはちょっと寂しいので、サルスベリというのは確かにいいお話だと思います。ぜひ、進めていただければと思います。

2.海上公園の整備を進める取り組み

〇菅野委員

 さらに今後、臨海部には海外からの訪問客がさらに増加することが予想されます。そこで、船だけではなく、羽田空港から都心に向かうモノレールの車窓等から望む水際線の景観、これの向上も新たな観光資源につながると考えます。そのためにも、水際の景観を構成している海上公園の整備には重要な意味があるんじゃないかと思います。
 海上公園の整備を進めるに当たり、今後どのような取り組みを考えられているのか、お伺いしたいと思います。

○武市港湾局長

 多くの方々に海上公園に親しんでいただくためには、来園者の視点だけではなく、公園を外からの景観として意識することも非常に重要でございます。そのため、来年度は、モノレールから見える京浜運河沿いの海上公園や、新たに整備をいたします客船ふ頭ターミナル周辺の公園におきまして、四季折々の花々が咲き誇るよう、花が咲く木の植栽や花壇の整備を進めてまいります。こうした取り組みによりまして、東京を訪れる方々の目を楽しませるおもてなしを演出してまいります。

〇菅野委員

 先ほどの知事のお話じゃないんですけど、海外旅行などをしたときにも、最初に、まず目に飛び込んできた風景というのは、結構、その国に行った印象に残るものです。そういう意味で、今私が話したように、最初に目に飛び込むというのが、まさに、羽田空港から都心に向かう途中の風景とか、そういうところも非常に大事かなと思いますので、ぜひ、二〇二〇年の大会に向けて、お台場などの臨海地域を訪れる多くの観光客によい印象を持っていただくような、そういった観光地の魅力アップに努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

■中小企業の成長に向けた取り組みと起業・創業支援について

1.中小企業連携促進ファンドの特徴について

〇菅野委員

 次に、中小企業の成長に向けた取り組みや起業、創業について伺いたいと思います。
 松下幸之助や本田宗一郎は、町場の小さな工場から事業を始め、大きな志と飽くなきイノベーションへの挑戦により、世界を代表する企業にまで育て上げました。中小企業のイノベーションと起業、創業を多く生み出していくことは、今後、東京の産業を持続的に発展させていくためにも重要です。
 昨今、大企業は、中小企業やベンチャー企業のクリエーティブな発想や斬新なアイデアを取り入れようとする動きを見せています。また、大学などは研究成果を実用化するために、中小企業を連携先として求めています。
 中小企業はこのような動きをチャンスとして捉え、自社にはない外部のさまざまな資源を活用して、新製品開発や事業拡大に取り組むことが有効だと考えます。とはいえ、中小企業やベンチャー企業は信用力が乏しいため、こうした取り組みに要する資金を調達しにくいのも事実です。
 このような状況を踏まえ、都は来年度、中小企業やベンチャー企業の新たな取り組みを応援するため、中小企業連携促進ファンドを新たに立ち上げることとしていますが、このファンドの特徴について、まずはお伺いしたいと思います。

○山本産業労働局長

 都が来年度、新たに設立するファンドは、中小企業単独では埋もれてしまいがちな技術を、大学、研究機関との共同研究や大手メーカーとの共同開発などを通じて顕在化させ、多様な製品、サービスの創出を目指すという点に特徴がございます。
 このファンドでは、運営事業者が中小企業とビジネスパートナーとのマッチングの機会を提供し、具体的な連携を実現させた後に投資を実行いたします。また、投資後も販路拡大や人材紹介、上場準備などの経営支援を行ってまいります。規模は、都が三十億円を出資し、民間資金と合わせて合計六十億円を予定しております。
 これにより、飛躍を図ろうとする中小企業のチャンスを広げ、新分野への挑戦を後押ししてまいります。

〇菅野委員

 ぜひ、このファンドの特徴を生かして、将来性のある中小企業の成長支援にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

2.女性・若者・シニア創業と創業後の支援内容の充実について

〇菅野委員

 さて、都議会自民党は、かねてから、女性、若者、シニアそれぞれの持ち味を生かした創業を飛躍的にふやす必要があると訴えてきました。
 都は、昨年度、女性・若者・シニア創業サポート事業を立ち上げ、今年度は、本事業の融資原資を約百億円規模へと大幅に拡充しました。私も事業開始に当たって、この事業の特徴について質問し、積極的な融資への取り組みが重要であると申し上げました。
 私の地元港区でも、既にこの事業を利用して、外国人観光客向けの飲食店を開業した方がいらっしゃいます。現行の制度では、創業後一年以上経過した事業者については支援対象外となっていますが、創業時だけではなくて、経営が軌道に乗り始めたときにも、まとまった資金が必要となるものです。
 調査によれば、創業者のうち約八割が自己資金だけで開業しており、また、創業後の課題として資金調達が最も多く挙げられています。また、一口に創業といっても、創業後数年を経た場合には、開業直後とは異なる課題も生じてくるため、経営支援面での工夫も必要となってきます。
 都は、こうした状況を踏まえて、女性、若者、シニアの創業を促進するとともに、地域に生まれた創業の芽を継続的に支えて育てていくために、創業後の支援内容を充実させていくべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○山本産業労働局長

 意欲を持つ多様な人材による創業を促進するため、都は昨年度、女性・若者・シニア創業サポート事業を立ち上げ、地域に根差した創業を資金と経営の両面から支援しております。
 来年度は、新たに生まれた事業者を持続的に成長させるため、融資対象を、現行の創業後一年未満から五年未満へと拡大し、幅広い資金需要に応えてまいります。また、支援対象の拡大にあわせ、事業開始後に発生する課題の解決に向けた新規のセミナーを実施してまいります。
 こうした枠組みによりまして、女性、若者、シニアの地域社会での活躍を一層強く支援してまいります。

〇菅野委員

 利用者の立場や視点に立って、しっかりと改善を図っていらっしゃることがわかりました。
 今後も引き続き、本事業の利用促進に積極的に取り組んでいただき、さらなる成果を上げていただくよう期待しています。

3.創業支援拠点の意義について

〇菅野委員

 こうして、これまでに都においてもさまざまな支援策を展開してきており、低迷していた開業率も、緩やかですが回復し始めました。私の地元港区の虎ノ門、赤坂、六本木などでは、民間事業者が、新しく事業を始めようとする人やベンチャー企業と大企業とのマッチングイベントを開催するなど、創業者の成長を後押しする動きが出始めています。
 都は、この機を捉えて、創業支援のさらなる強化拡充を図るべきです。特に、創業に興味を持つ多くの人を掘り起こし、裾野を広げるとともに、確実に創業まで結びつけ、成長させていくための一貫した支援が必要であります。
 都は来年度、新たに創業支援拠点を設けることとしていますが、この拠点を起業、創業のゲートウエーとし、多くの創業者を生み出していくべきと考えます。知事の所見を伺いたいと思います。

○舛添知事

 東京は、パリ、ニューヨーク、ロンドンなどと都市間競争を戦っているわけですけれども、創業をどうして支援していくかと、これは今から大きなポイントになっていきます。
 そういう意味で、これから交通の至便な都心のターミナル駅近くに、創業の支援の拠点を置きたいと思っています。具体的にこういうプランがなくても、自分はこういうことに興味あるという人が、休日でも夜間でも訪ねてこられて、そういうコンシェルジュというのがおりますから、いろんな支援をそこで受けられるようにしたいと思っています。
 それから、創業して起業した先輩たちとの交流会、これも開催して、いや、こういう苦労があったよと、こういうようにすればいいよということでやりたい。それからお金が必要ですから、投資家の前で、こういう事業をやると、プレゼンテーションの機会もやるということがビジネスチャンスにつながると思いますので、こういうこともやりたいと思っています。
 そういう意味で、この支援拠点を活用して、できるだけ多くの創業者を生み出していって、東京都のさらなる発展につなげたいと思っております。

〇菅野委員

 大変、知事から、起業、創業を目指す若者だとか女性、本当に力強い、希望を持てるようなお話がございました。ぜひ多くの方に、この支援拠点を利用していただいて、グローバルに活躍する人から地域社会の課題に貢献する人まで、さまざまな成功事例を生み出して、創業を目指す人の裾野の拡大につなげていただきたいと思います。

■映画イベントによる観光振興

1.国際映画祭などへの支援の充実に向けての取り組み

〇菅野委員

 次に、映画イベントによる観光振興について伺います。
 都内を国内外から訪れる観光客の数をふやすためには、東京で新たに開催されるイベントの招致を行うことも大切ですが、既に毎年開かれていて集客力が高くて、文化的にも意義のある催しなどの質を高めて、より多くの旅行者の確保につなげる努力も必要ではないかと思います。
 例えば、東京では、例年、秋の開催が定着している国際映画祭、また新しい映画のつくり方として次第に着目されるようになっている短編映画のイベントなどがあるわけですが、これらの集客の力の底上げに向けた支援を充実していくことは、我が国の映画という文化ジャンルのレベルを引き上げる重要な役割を果たすことにもつながると考えます。
 海外では、カンヌやベネチアなど有名な映画祭が都市を挙げてイベントとして開かれ、多くの観光客が来訪することで旅行地としてのブランドのイメージも高まり、文化的にもすぐれているとの印象を発信することにも役立っていると聞いています。
 そこで、東京で開催されている国際映画祭や、ショートショートフィルムフェスティバルについて、行政としてもその内容がさらに世界的なレベルや体裁を持つことが可能となるようサポートを行って、観光振興に結びつける取り組みを一層進めていくべきと考えますが、こうした観点から、来年度に国際映画祭などへの支援の充実に向け、どのように取り組むのか、そういったお考えがあるのか、所見を伺いたいと思います。

○山本産業労働局長

 都はこれまで、東京国際映画祭や短編映画祭であるショートショートフィルムフェスティバル&アジアの運営に必要な経費の一部を助成してまいりました。
 来年度は、東京国際映画祭が世界的な映画祭として発展していくことができるよう、より収容能力の大きな会場の使用や、世界的に発信力の高い専門メディアを活用したPR等に対する支援を新たに開始いたします。また、ショートフィルムのフェスティバルの充実のため、東京ブランドをテーマとする短編映画の公募や、すぐれた監督による東京のイメージ映像の制作等を新たに支援いたしたいと思っております。
 これらにより、映画祭を活用した観光振興を着実に進めてまいります。

■国際会議の誘致と開催支援

1.国際会議の開催を増やしていくための、具体的な取り組みについて

〇菅野委員

 次に、国際会議の誘致と開催支援について伺います。
 さまざまな委員の方から関連の質問があったと思いますけれども、東京で国際会議を開催することは、多くの外国人旅行者を一度に誘致することにつながり、大きな経済効果が期待でき、都市としてのステータスも高まるために重要な取り組みになるものと感じています。
 こうした国際会議の誘致を含めたMICEへの対応は、そのメリットの大きさが広く明らかになるにつれ、世界的に海外都市の間で誘致をめぐる競争が激しさを増す一方であると聞いています。
 国際会議については、規模の大きいものを効果的に誘致するために、都としてのサポートの充実に十分に力を入れていくことは重要だと思います。
 その一方で、世界を広く見渡せば、中小規模の国際会議も数多く開催されているわけですから、大規模な会議以外のものもしっかりと誘致していくことが必要になるものと思います。
 大規模な会議も手がたく誘致しながら、中小規模の会議の数もきちんと確保するような戦略的な施策の展開がこれからますます重要になるものと考えます。
 都として、東京での国際会議の開催をふやしていくために、来年度は具体的にどのような取り組みを行っていくのか、見解を伺いたいと思います。

○山本産業労働局長

 都はこれまで、MICE誘致に当たり、海外からの参加者が延べ八百人以上となる規模の大きい国際会議を対象に、その誘致活動や開催時に必要な経費の助成等を行ってまいりました。
 来年度から、外国人の参加者が延べ九千六百人以上となる特に大規模な会議への支援を強化し、開催時の会場借り上げ費への助成上限額を二千万円から三千万円に引き上げます。
 また、参加者が延べ四百人以上の中小規模の会議にまで支援対象を広げ、誘致活動に必要なPR経費や海外に出向く費用、開催時の会場借り上げ費等に対する助成を新たに開始いたします。
 こうした取り組みにより国際会議の東京誘致を効果的に展開してまいります。

〇菅野委員

 ぜひ、そうした大小取りまぜてさまざまな国際会議、そして、それに付随するいろんなイベントもしっかりと支援するような形で取り組みを進めていただければと思います。

■ボランティア活動に関する取り組み

1.東京ボランティア・市民活動センターの機能を強化する取り組みについて

〇菅野委員

 次に、ボランティア活動に関する取り組みについて伺いたいと思います。
 まず、世帯主が六十五歳以上の高齢世帯のうち、ひとり暮らしの比率は、東京が全国で最も高くて、この比率は都市部で急速に高まるため、二十年後には四四%に上るといわれています。また、私の地元港区の調査によれば、区内で緊急時の支援者がいない人が一七%程度おり、日常的にも手助けを頼める相手がいないという状況にあります。
 こうした状況から、今後ますます地域における支え合いが必要となってくると思いますが、ここで重要な役割を担っていただくのがボランティアであるかと思います。
 東京は、四年後に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されますが、これを絶好の契機と捉えて、将来にわたり、多くの方々がボランティアに参加していただけるような取り組みを進めることが必要だと思います。
 都は、先日、東京にボランティア文化を定着させるため、共助社会づくりを進めるための東京都指針を策定しましたが、ここに示された施策を進めるには、ボランティア活動支援の中核的存在である東京ボランティア・市民活動センターの役割が重要になると思います。
 そこで、都は来年度、どのように東京ボランティア・市民活動センターの機能を強化するのか、伺いたいと思います。

○多羅尾生活文化局長

 東京ボランティア・市民活動センターは、ボランティア活動推進のため、情報発信、相談対応、活動する側と受け入れる側とをつなぐコーディネーターの養成などについて重要な役割を担っております。
 来年度、まず、情報発信については、センターが運営するボラ市民ウェブにおいて、区市町村のボランティアセンターとボランティア情報の共有を図ることで、質、量ともに充実を図ってまいります。
 また、相談対応については、活動したい都民や受け入れたい団体などのあらゆる相談にも応じられるワンストップ窓口を新たに開設いたします。
 さらに、コーディネーターの養成については、講座の受講者数を二倍に拡大するなど、充実を図ってまいります。

2.大規模災害が発生した場合を想定した取り組み

〇菅野委員

 ところで、今後発生が想定される首都直下地震など、大規模な災害が発生した場合に、応急対策にも、復興対策にも、多くのボランティアの多様な活躍が不可欠であります。
 その際にも、東京ボランティア・市民活動センターが地域のボランティアセンターと連携するなど、災害時のボランティア活動に重要な役割を担うことになるのかと思います。
 そこで、大規模災害が発生した場合を想定して、東京ボランティア・市民活動センターと連携し、どのような取り組みを行っていくのか伺いたいと思います。

○多羅尾生活文化局長

 災害時に、都と東京ボランティア・市民活動センターが共同で設置する東京都災害ボランティアセンターは、大規模災害時にボランティア活動支援の中核となる役割がございます。
 そのため、このセンターが十分に機能を発揮できるよう、平時から東京ボランティア・市民活動センターと連携し、総合防災訓練や図上訓練における行動のシミュレーションを通じて、多様な団体との連携を図ってまいります。
 また、災害ボランティアコーディネーター養成講座の受講者が、災害時に迅速に活動できるよう、都から、被災状況に関する情報の提供体制を整備いたします。
 さらに、発災時に迅速な対応が可能となるよう、区市町村ボランティアセンターなどと連携し、各地域でのボランティアに関する情報の共有化を進めてまいります。

〇菅野委員

 首都直下地震など、災害はいつ起こるかわからず、平常時より災害への準備を進めておくことが重要であります。今後も、万全な準備に努めてもらいたいと思います。
 また、東京ボランティア・市民活動センターの機能の強化などについて、都の取り組みをお聞きしましたけれども、ボランティア活動は、被災地での支援、オリンピック・パラリンピックでのおもてなし、町会、自治会などによる地域での支え合いなど、多岐にわたります。
 今後、センターとの一層の連携を図っていただき、東京にボランティア文化の定着が進むように要望しまして、次の質問に移りたいと思います。

■下水道管の再構築

1.下水道管の再構築及び道路陥没対策について

〇菅野委員

 それでは、最後に、下水道管の再構築について伺いたいと思います。
 先日の本定例会の我が党の代表質問に対しまして、再構築の取り組みについての答弁がありました。
 下水道管の老朽化は、下水道機能に影響を与えるだけではなく、道路陥没の発生など、都民生活に支障を来しかねません。
 そのため、下水道局は、既に港区や千代田区など、都心部を対象に下水道管の再構築を進めるとともに、二〇二〇年大会の万全の開催のためにも、老朽化に起因する道路陥没の対策を進めていくと聞いています。
 そこで、下水道管の再構築及び道路陥没対策について伺いたいと思います。

○石原下水道局長

 下水道管の再構築は、現在、整備年代の最も古い都心四処理区一万六千三百ヘクタールを第一期再構築エリアとして進めております。今年度末までに、このエリアの四〇%が完了する見込みであり、今後、五年間で累計約一万ヘクタール、六二%に完了面積を引き上げることとし、平成四十一年度の完了を目標といたします。
 再構築は、ただいまお話にありましたように、道路陥没対策にも効果がある事業ではございますが、下水道管に起因する道路陥没の特に多い地区では、原因の多くを占める陶製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール管へ取りかえる事業を別途重点的に進め、これまで六十一地区の対策を完了させてまいりました。
 今後は、二〇二〇年大会競技会場周辺二十二地区を含め、新たに選定した六十四地区を重点地区といたしまして、取りつけ管の取りかえを大会前の平成三十一年度末までに完了させてまいります。

〇菅野委員

 ぜひ今後とも、下水道管の再構築を着実に進めるとともに、道路陥没対策を重点的に進めることで、都民の安全・安心を確保していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)


【都議会リポート】

https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/budget/2016/3-09.html